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おくりびとのJOURNEYのレビュー・感想・評価

おくりびと(2008年製作の映画)
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 いつかは 『納棺夫日記』 とやらをオイラも読もうと思う、作品 『おくりびと』 との違いがどうかを確認してみたい、にしても映画ロケ誘致に消極的だった富山県庁の肝っ玉の小さい事、今や山形県では撮影が行われた殆んどの場所が観光名所になってる、誘致許可をしなかった事に後悔してるらしいけど、後の祭りよ。

 紆余曲折ありの作品だが、内容はと言うと “死” に対する厳かで神聖な気持ちをひたすら、丁寧に丁寧に描いている、薄っぺらなヘラヘラした奴やんか1人も出て来ない。

 大悟が徐々に、ご遺体の人生と向き合い遺族との最後の時間を整えてあげたいと、仕事に対する想いが変化していく過程が見所で、厳粛な雰囲気の中で行われる納棺の儀の所作が美しく、観ている者を惹きつけていく、時間に遅れた社長と大悟を叱責する遺族が、細やかで心の込もった仕事ぶりに感動して最後には感謝すると言うシーンがある、作品のすべてがこのシーンに凝縮されていると言っても過言ではない。

 滝田監督ならではのコミカルな演出もバランス良く所々にあり、会社名が 『NKエージェント』 (納棺=No-Kan) は笑える、佐々木社長演じる山崎努が食事をするシーンが多く、伊丹十三作品の 『お葬式』 や 『タンポポ』 とチラチラ被って見えて、ほのかに温かみを感じる。

 オイラ個人的に気になるシーンがある、大悟が壮絶な腐乱屍体の処理を任され帰宅した日、美香に生の温もりを求め、ジーパンを脱がしパンティーまで露になり可愛いおへそに顔を埋めるシーン (モッくん、オイラのヒロスエに何してくれてんねん!、そのシーンだけなら幾らでも代わるぞ!) って心の中で叫んだよ、このシーンを観たいヒロスエファンは今すぐ 『Amazon』 でポチっと。

 久石譲の楽曲が美しい山形の風景に寄り添い、観終わった後にゆっくり考える時間までもを与えてくれる、改めて日本映画って素晴らしいなってつくづく感じさせてくれる作品。
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