結局カレー

おくりびとの結局カレーのレビュー・感想・評価

おくりびと(2008年製作の映画)
3.7
納棺師に対し「汚らわしい」という発想がなかったが悪く言ってしまえば人の死に乗じたビジネス。多少なり偏見はあるものか、とも。

本木雅弘の芝居に胸を打たれた。初仕事の気持ち悪さ、体を洗いたくる姿、食べ物をみてもよおす吐き気、生きていることを確かめるかのように妻を愛する姿。どれも体験していないのにひしひしと伝わった。

映画全体を通して美しい印象がとても深い。生きることに汚いものはつきものだけど、それに音楽、花、化粧、あらゆるもので彩り美を与え尊厳や価値が生まれる。

死体を遺体と呼び、燃やせば灰になる箱に何十万もかける。おくりびと(納棺師)は人に尊厳を与える仕事なんだと感じた。