誰にとっても良い映画です。
しかし「それを言っちゃあおしまいよ」でありますが、本木雅弘と広末涼子の美しい2人のキャスティングなかりせば、とも思います。
この2人の存在が「画(え)」を綺麗にしているし、元チェロ奏者「だからこそ」納棺師でありながら佐々木の仕事の美しさを了解し自らも会得できる点も自然。
この「納棺師」という業種も誰からも興味を惹かれるポイントで小山薫堂氏による「下衆なまでにあざとい趣向」が見事です。
敢えて云えば、この仕事を選んだことを当初美香や山下に咎められる場面がありますが、ここにはリアリティがありません。
そこまで言われはしないでしょう。ここはあくまで「伏線」として必要だった事を感じさせてしまうのは仕事が「雑」です。
冒頭から語られる失踪した大悟の父淑希とのエピソードもラストの縁を予想させてしまう点ももっと裏切って欲しかったとも思います。
この映画の後追いがあまりなかったのも意外です。