きよみず

ロレンツォのオイル/命の詩のきよみずのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

#14-2014
ALD(副腎白質ジストロフィー)とよばれる治療薬がない薬に息子がかかってしまった親子が治療薬を探し出す話。これでもかというほど親が子を思う気持ちが溢れている。それゆえ母親が暴走するシーンは見ているときはいい心地はしないが見終わったあとは納得できる。何気ないシーンに意味が多く、それがボディブローのようにじわじわ効いてくる。

映画では希望が見えて終わったが、現実ではあの後うまくいかない。
改善した例は他にはなく、当時かなり高額な額だったため(1000$/L)、かすかな期待をして購入した親の怒りや失望が広がりいかさま師とまで夫婦は呼ばれた。しかし夫婦を支えたのが劇中悪役として描かれたニコライス教授であった。モデルとなったのはヒューゴ・モーザーという実在のALD研究者で映画ではオドーネ夫妻の障害となる悪役として描かれているため、実名を使われなかった。モーザー博士はオイルを研究し続けて2005年に治療効果はないが予防効果があると論文を発表。詐欺師のレッテルを貼られた夫婦の名誉を回復させる。現在ではスクリーニングによって発症前の患者を見つけオイルを投与し予防するプログラムが北米で進められている。母親のミケーラが2000年に肺癌でなくなり、ロレンツォは簡単な意思疎通ができるまでなったが父親の看病を受けつつ肺炎で2008年に亡くなった。
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