ひろぱげ

瀬戸はよいとこ 花嫁観光船のひろぱげのレビュー・感想・評価

3.6
いかにもB級っぽくてあまり期待してなかったが、こんなに笑える映画は久しぶりに見たってくらい面白かった。それでいて、実に緻密に巧妙に構成されていて、その中でフランキー堺、財津一郎、山城新伍らの芸達者が遊びまくる。スンバラシイ!

オイルショックで一時中断していた本四連絡橋の建設再開に沸く明石を舞台に、それに便乗して淡路島の老舗旅館を買収しレジャーホテルにして一発当ててやろうというパチンコ屋夫妻チームと、環境保護運動の女達そして彼女らの拠り所である塾講師(33歳・独身)チームとの攻防を描いていく・・・のかなと思ったら、男たちvs女たちの痴話喧嘩と意地の張り合いに発展していく。

とにかくこれまた役者たちが素晴らしいのな。特に、環境保護運動の急先鋒である気の強い女、日色ともゑと、その旦那で、嫁にもその義兄のフランキーにも、そして高校の後輩にあたる山城新伍にもこき使われて憐れな財津一郎(ヒジョーーーにキビシーーーー!)。ちょろっとしか出てこないのに強烈な印象を残すミヤコ蝶々。それから、かつてフランキーと夫婦漫才をしていたという設定のボインちゃん=朝丘雪路もイイ。この二人の掛け合いの妙!ほんとに夫婦漫才できそう。

様々な要素を盛り込み、ドタバタとお色気と、「旅行シリーズ」の名残で、明石、鷲羽山、阿波と観光地紹介も忘れず、楽しく可笑しく、時にハラハラドキドキ、ぐいぐい引っ張ってくれる素晴らしい映画だった。
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