ドラミネーター

ルイスと未来泥棒のドラミネーターのネタバレレビュー・内容・結末

ルイスと未来泥棒(2007年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

最っ高やった。

〈よかったところ〉

・登場人物全員が、"間"もなく、とにかくくだらないボケを連発しまくるボケのオンパレードが最っ高に面白かった。気取ったボケでなく、衒いのない、本当にくだらないアホみたいなボケがこれでもかと大量に押し寄せてくる。休憩する暇がない。
日本語吹き替え最高すぎた。

・マリオの64に似た質感の絵やアトラクションっぽい演出は3Dフォーマットでの上映を軸にしたということだろうか。さすがディズニー絵は綺麗で、個人的にはとても好きな絵(世界観)だった。

・ルイスが失敗した時に、ロビンソン家のみんなが下手に励ましたりするのではなくルイスの失敗を心から喜び、まるでパーティーのように騒ぎだすシーンは大好き。これぐらいの意気で失敗を喜びたいな。

・物語序盤、クランクルホーン博士がルイスを見て「この子二人欲しいわ」的なことを言っていたが、終盤にクランクルホーンがルシールおばあちゃんだとわかったところで一本取られた。

・実際に養護施設の子どもにルイスのような素晴らしいハッピーエンドがわからないが、素晴らしい里親の方と出会って大切で素敵な家庭を築いてる人ももちろんたくさんいるのだろう。そして、必ずしもそれだけが「幸せ」でないことも気づかなければならない。

・ラストにウォルト・ディズニーの名言が出てくるのはよかった。

・ルイスもウィルバーもグーブもめちゃかわいい。特にグーブ。


〈個人的に惜しかったところ〉

・学校の科学展にルイスの未来の妻や養母、養父がいたりと、あの場に「ルイスの未来」が一極集中しているのは少し不可解だった。また、養子縁組を組んだ後の新居はルイスの未来の家のままであり、「予定調和な未来」感が拭えなかった。とは言え、本作はそれほど深く考え込みながら観るような作品ではないように思うし、ディズニーが「予定調和な未来」にメッセージも持たせて描いたとも考えていないので、本作の魅力に比すると取るに足らない点でおる。

・ルイスが自分の母親の顔を見ない、またその理由が「僕にはもう未来に家族がいるから(見なくても大丈夫)!」というのは腑に落ちなかった。もし自分だったら、しかもあの年齢だったら、自分の親の顔は絶対に見たい、しなんなら話しかけたいと思う。こわさはあるだろうが、それでもやはり顔を見るぐらいはするだろう。「未来に素敵な家族がいる」ということが分かったとして、それで仮に寂しさや孤独感が取り除かれたとしても、「まだ見ぬ実母」に対する子どもの旺盛な好奇心は自制できるものではないだろう。そういった意味でも、「児童養護施設で育ったルイス」の深みを描ききれていない感は否めない。「同情を誘うための設定でしかない」と言うほど軽んじられては(稚拙では)なかった。

・ルイスがドリスに対して酷い扱いした(実際はそうではないとしても、ドリスがそう感じた)ということや、ドリスがあそこまで暴走した意図などはもう少しクリアにしてほしかった。これだけ明るくて楽しい映画なのに、最後はドリスだけ「ただの敵」でしかなく、報われなかったように感じる。個人的にドリスがかわいく感じて好きだっただけに、ドリスも含めてみんな幸せになれたらよりハッピーなエンドだったな〜。と思う。