エリオット

彼奴(きゃつ)を逃すなのエリオットのレビュー・感想・評価

彼奴(きゃつ)を逃すな(1956年製作の映画)
4.2
鈴木英夫監督②

右から左に貨物列車が走るのに合わせてクレジットが右から左に流れるタイトルバックからして格好いい。
その後、殺人犯を目撃した主人公(木村功)が身重の妻(津島恵子)を守るためもあって警察に協力するしないで逡巡している場面は正直やや長いが、協力することを決めてから後のサスペンスの盛り上がりは凄まじい。
(以外、若干ネタバレ気味)
モンタージュ写真とそっくりのチンドン屋の男が街を練り歩いた後主人公の店の外から中を覗き込む顔の怖いこと!その時だけチンドン屋の音楽がグッと大きくなって自分も主人公と同じように竦み上がる。
その他、坊さんが歩きながら叩く太鼓の音や主人公が仕事で修理するラジオの音など、この作品では音がサスペンスをもたらすキーになっている。
極め付けは毎日同じ時刻に近所を通り過ぎる貨物列車の轟音。その音に合わせて犯人が拳銃を発射しようとしているのを見て観客のハラハラドキドキは加速する。それはまさにヒッチコック映画のよう!
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