一休

ムッシュとマドモアゼルの一休のレビュー・感想・評価

ムッシュとマドモアゼル(1978年製作の映画)
5.0
2020年の「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選・第一陣」の中で、【大頭脳】と【オー!】は観た記憶もあって、それなりに記憶にあったのだが、【ムッシュとマドモアゼル】は観た事がある程度の記憶しかなかった。
しかも、共演はソフィア・ローレンだと思い違いしているという失敬な体たらくだ。(-_-;)
それでも、宣伝を見る内に何となく思い出してきたので観に来たのである。
フランス映画界のしがないスタントマンのマイクと、美人なのに目が出ないスタントウーマンのジェーンが、映画界の中で浮き沈みを繰り返しながら、くっ付いたり離れたりしている。
映画界に見切りをつけたジェーンは、城持ちの伯爵との結婚を視野に入れるのだが、マイクは、自分が出る事になった大きな仕事にジェーンを引き入れる事でジェーンを取り戻そうとする。
そこに、スタント元のスター、ブルーノ・フェラーリと監督のセルジオが絡んできて、ドタバタのてんてこ舞いを繰り広げだす。
「映画界におけるスタントマンの位置」を、映画人が描いているという点では、ジーン・ケリーの【雨に唄えば】で描かれているのと同じなのだが、ジーン・ケリーはダンスを自ら踊る事でそれを打破した人物を描いていたのに対し、こちらの作品ではあくまでもスタント一辺倒の男を描き切っている。
そのスタントでのドタバタ具合は、明らかに後のジャッキー・チェン映画に影響を与えていると分かるのだが、思い返すと【Mr. BOO】シリーズもそうであったような気がする。
映画を観ると、フランス映画なので音声はもちろんフランス語なのだが、ヒロインのラクウェル・ウェルチはアメリカ人なので、口元は英語を話している。
誰かが、フランス語をアテレコしているのだろうが、いったい誰なのかが気になってしまう。
あと、オープニングシーンの映画撮影場面にジェーン・バーキンが出ていたのを見つけてビックリしてしまった。
「あれ?ジェーン・バーキンか??」と思っても画面は流れていったので確かめられなかったのだが、マイクとジェーンが楽屋に戻る途中で言い争いをした時にあった黒板に「1. J.BIRKIN」と書いてあったので、間違いないようだ。
それに、珍しい事にベルモンドがマイクとブルーノの二役をしていて、しかもブルーノはオネエだというのは、本当に珍しい。
きっと、友人でもありライバルでもあるアラン・ドロンの【黒いチューリップ】に触発されて、「俺もやるよ♪」とか言い出したに違いない。(笑)
あと、ブルーノが出演する大きな映画のイタリア人監督の名前がセルジオだなんて、明らかにセルジオ・レオーネを想定していて、とても嫌なヤツにされているのが「さすがフランス映画だな~。」と思わせてくれる。
1977年の製作なので、街中に走ってるクルマもネオクラッシック的なものばかりで、Renault 5、Renault 8、Citoroen DS 23パラス、Austin Mini、 Mercedes Benz W114、Fiat X1/9やBMW3.0CSまであるので、あの時代に還りたいと思ってしまった一休なのであった。(ノ ´ー`)ノフッ
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