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日陽はしづかに発酵し…のRIOのレビュー・感想・評価

日陽はしづかに発酵し…(1988年製作の映画)
3.9
中央アジア ウラン採掘坑跡地トルクメニスタン
医師マリャーノフは自然破壊や独裁者の強制移住と差別によって僻地に追いやられた人々の大半は死んでしまった現実と向き合う

フィルムが焼けて溶けそうな黄色い荒地にバビロンを思わせるような音使い
理性をろくに使うこともなくなる日常
太陽の光を吸い込んだ大地から立ち上る熱気が思考を止める
ラジオから流れる民族音楽と政府の演説
労働による共産主義からでは魂は救済されないという隠喩が込められていた

鉄格子越しに見ているトカゲ ゼリーに固められた海老 マリャーノフにもいつでも監視の目は向けられている

額に押された他者の刻印
差別の悩みをなくした世の中を望むサーシャの話を聞いてマリャーノフは前に書いていた論文を焼き捨てて新たに書き始める

ラストはサーシャがトルクメニスタンから旅立っていく この間の太陽に照らされる情景とプレスするようなクラッシュ音に痺れた
安らぎを求めて最期の時を迎える子供が急に連れ去られる向こうて何処だろう *-* 冒頭にも向こうに論文を持っていこうとされていた

地球は丸く全て繋がっている
ソクーロフの思考に置いてかれるのは間違いないけど聖歌やクラシック音楽と民俗音楽を重ねた想いに馳せたい
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