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日陽はしづかに発酵し…
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『日陽はしづかに発酵し…』に投稿された感想・評価

RIO

RIOの感想・評価

3.9
中央アジア ウラン採掘坑跡地トルクメニスタン
医師マリャーノフは自然破壊や独裁者の強制移住と差別によって僻地に追いやられた人々の大半は死んでしまった現実と向き合う

フィルムが焼けて溶けそうな黄色い荒地にバビロンを思わせるような音使い
理性をろくに使うこともなくなる日常
太陽の光を吸い込んだ大地から立ち上る熱気が思考を止める
ラジオから流れる民族音楽と政府の演説
労働による共産主義からでは魂は救済されないという隠喩が込められていた

鉄格子越しに見ているトカゲ ゼリーに固められた海老 マリャーノフにもいつでも監視の目は向けられている

額に押された他者の刻印
差別の悩みをなくした世の中を望むサーシャの話を聞いてマリャーノフは前に書いていた論文を焼き捨てて新たに書き始める

ラストはサーシャがトルクメニスタンから旅立っていく この間の太陽に照らされる情景とプレスするようなクラッシュ音に痺れた
安らぎを求めて最期の時を迎える子供が急に連れ去られる向こうて何処だろう *-* 冒頭にも向こうに論文を持っていこうとされていた

地球は丸く全て繋がっている
ソクーロフの思考に置いてかれるのは間違いないけど聖歌やクラシック音楽と民俗音楽を重ねた想いに馳せたい
菩薩

菩薩の感想・評価

-
一人の医者が研究論文を書きたいのに次々邪魔が入ってまったく進まないし、最終的に旅に出ちゃうお話。頼んでもいないエビが届く、呼んでもいない姉が来る、隣人が突然自殺したと思ったら死体が喋り出す、変な男に家に押入られたと思ったらそいつは殺される、家の前に少年が倒れてたから保護してやったら人生に絶望してて結局知らない奴が連れ去って行く。はてさて相変わらず何が起きてるのかは分かるけど何故起きてるのかはまったく分からないし何のために起きてるのかも分からないけど、トルクメニスタンを舞台にセピア色で描いたソクーロフ流のセカイ系映画とでも言うべきなのか?原作ストガルツキー兄弟だしタイプライターのせいでどうしたって『ストーカー』×『裸のランチ』って言いたくなる。ロシアとトルクメニスタンの関係性であったり、社会主義的世界の終末観であったりを悪夢的に表現してるなんて言ったらかなり陳腐な説明になるんだろうけど、まぁさっぱり分からないから放棄して、画面の吸引力に身を捧げる2時間。冒頭のパラグライダー撮影と言い、少年発見時の真上ショットといい、終盤の謎のドロドロ工場といい、うん、やっぱりこの人まったく手応えが無い!のに魅力的なのは何でだ!神秘的なんだなぁなんか。エビがゼラチンに包まれて来るんだけど、ほんとそんな映画。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

4.8
「日陽はしづかに発酵し…」

〜最初に一言、ソクーロフ映画の静寂の極み、美の基準を創り上げ、色彩の蠱惑性と民族歌の余韻を残した正に前衛劇と風景美が映された傑作だ〜


冒頭、子供たちの声。ガラスの割れる音、ここは中央アジア・トルクメニスタンの町。民族音楽、カスピ海、コムソモール、屍体安置所、太陽に照らされた建物、歯車、子供。今、1人の青年と子供の放浪が風変わりに幕を開ける…本作は停滞の時代にあったソビエト連邦で作る作品が次から次えと公開禁止になってしまったソクーロフの初期の最高傑作として名高い本作をこの度、DVDボックスを購入して鑑賞したが素晴らしかった。やはり86年から始まった立て直しの中で作品の公開が始まると共に映像の新たなクリエイトティブな部分が世界に注目され、日本では92年のレンフィルム祭で「日蝕の日々」と言うタイトルで紹介されて以降、熱烈なファンができたと言う。

この作品はロシアSFの原作を題材にしている。ストルガツキー兄弟の"世界終末十億年前"と言うものが原作らしい。彼らの原作といえばタルコフスキーが監督した傑作「路傍のピクニック」作品名は"ストーカー"である。ゲルマンの「神様はつらいよ」作品名は"神々のたそがれ"である。これらは周知の通りで、ソクーロフが選んだ本作は1974年に書かれたSF中編小説だ。

因みにアルカージー(兄)は芥川龍之介や阿部公房、夏目漱石、野間宏などの日本文学のロシア語訳をしている。私の生まれた91年に亡くなっている…。


余談だが、どーもストルガツキー兄弟原作作品をロシア人作家が映像化すると雰囲気が似るな…。同じ原作者を元にしていても、多少全く違う感じがしてもいいのだが、雰囲気や演出が似てる。ちなみに原作者はこの作品を最も低評している。「ストーカー」が世界的水準にある出来栄えだと言っているが、この作品に対してはひどい代物であると明言している。


さて、物語はマリャーノフは医師として西トルクメニスタンに赴任したロシア人青年である。彼はヨーロッパとアジアを結んでいる土地の文化に狼狽する。患者を診ては学術論文を書く日々を送る彼は、現地の青年サーシャと友情を培っていたが、2人して差出人不明の小包を受け取った事により、マリャーノフの生活に歪みが生じ始める。呼んでもない姉のリーダが来たり、患者の1人が彼に“ものを書くな”と助言した翌日には不可解な死を遂げたりと…簡単に説明するとこんな感じで、芸術に満ちた難解作である。


本作は冒頭から美しい夕日の空が映される。そしてカメラは上空から地上を捉える。そこには小さな集落があり、様々な人々をフレーム内に収める(この時、映像はオレンジ色のセピアが使用されている)。そして空中撮影から地上へとダイナミズムの画面が構築される。彼ら彼女らはどうやら少し身体に問題があるようだ。この村はトルクメニスタン。男たちは談笑し、妊婦が中庭を歩き回る。


続いてカメラはとある男が小包を配達に来る。そこはジーマの部屋である。ジーマは何も注文した覚えは無いと言い、配達員が強引に受け取りのサインを求め、机の上の論文の束を持ち去ろうとする。なんとか論文の1部を取り戻すことができたが、外は配達員が持ち出した紙の束が路上に舞っているシーンへと変わる。カメラは山間にある集落の遠景を捉える。

そこに軍服を着た若い男が運転席から降りてくる。そしてロシア正教の教会に入る。祭壇の前に立ち、絵の説明を読み上げる。彼の名前はアンドレイ・スネゴヴォイ。続いてジーマがタイプライターに向かって仕事をしている場面へと変わる。そこには電話がかかり、子供を持つ女性からの電話で、毎日同じ内容の相談を持ちかけてくる相手にうんざりしながら対応する。

そしてジーマの部屋に友人のサーシャが来る。彼は窓際でオープンサンドを食べながら窓の外にやってきたトカゲを見つめる(カメラはトカゲのクローズアップを鉄格子越しに捉える)。続いてスネゴヴォイが車で帰ってきた姿を窓から見かけたジーマが声をかけるが応答せずに家の中へ入る。続いてカメラが部屋の中にある小包に気づいたサーシャ、それをジーマが開封すると中からゼリーで固められた海老が出てくる。

それを凄いと不思議そうに眺める2人。そして外の人々の姿を音楽と共に捉えるカメラ、不意に部屋の中に戻りリーダの血圧を測るジーマ。そして仕事を姉に邪魔され彼が激怒するが姉も大きな声で言い返す。続いて、姉が違う部屋に行った途端に叫び声を出し、それに驚いた彼がその部屋に行くとそこには巨大な蛇が横たわっていた。彼は蛇を首に抱えながら外へ出て、近所の男の家に持ち運ぶ。

続いてカメラは夜になり、ジーマとリーダが食事をしながら会話をする場面へと変わる。そこにスネゴヴォイがやってきてジーマは彼の自宅へ向かう。そして自宅の中を遠近法で捉えるカメラ、2人はベランダに行き様々な会話をする。続いて、真夜中の街の姿をサーチライトで照らす演出が行われ、部屋の中の電球をいじるジーマの姿、一層、黄色みがかった色がノスタルジックな感覚にさせる。そして2人は寝床で眠る。

翌朝、荒らされた部屋に複数の警察官らしき男性が色々と操作をしている。それを固定カメラで長回しする。そこで一体の死体が担架に乗せられ運ばれていく。死体の正体は〇〇氏である。そして他民族の楽器で音を奏でる3人の老人を捉えて街の女性を引きに捉えたり、遠近法により撮影された集落が映る。そんな中、ジーマの姿をロングショットで捉える。

そしてジーマは少年と出会い、拳銃を持った男に監禁され、様々な出来事がこれから起こる…ここから先はネタバレになるため言及は避ける。


いゃ〜凄いソクーロフの芸術が炸裂している。これは観て感じる作品で、どの様な製作側の思いがあるかを感じとる映画なんだと思う。無論ソクーロフのこの作品だけでは無く、基本的に彼の作品は全てが作風との対話をしなくてはならない…。あのオレンジ色の色彩を前面に押し出しながら、緩やかに上空から集落を撮影して、勢い良くカメラが地面へと着陸するあの圧倒的なダイナミズムは素晴らしく、他に類を見ない演出だ。

それにカメラが逆に回転していくあの演出は物理的な効果があり、かなり衝撃的だ。あの撮影は一体どうやってやったのか調べたらハングライダーにカメラを固定してどうやら撮ったらしいが、正確なのかわからない。カメラマンは地面に激突して骨が骨折したと言う情報も載っていた。この作品は主人公の男性がタイプを打つ音が非常にシンボリックに聞こえてくる。

あのエビの入った寒天ゼリーのようなものを素手で握り潰すシーンはまさにグロテスクだ。大蛇に驚く姉の悲鳴に飛び跳ねる弟の姿も笑える。破壊された建物、ヒトラーの写真が飾られているアルバムをめくるクローズアップ、山のロングショット、青年が子供を抱きかかえ体を洗ってあげたりするシーンや見つめ合う場面も非常に魅力的で印象に残る。特に傷だらけの子供の強気な態度と言うか、大人びた接し方と弱さのギャップが愛くるしくも思える。美形だし…

あのラストの男2人が船の上で別れるシーンはLGBT映画を彷仏とさせるシーンである。決して同性愛映画ではないがそのままクライマックスに帰結するラストショットのフレームは世界最高のワンシーンといってもいいだろう。しかもたくさんの街の建物が消えて、荒地に変わっていくシーンも画期的で凄く余韻の残る作品だ。

なんといってもクライマックスの列車の中からの風景をフレームインした複数のカット割りで、主人公の青年の首から上を捉えたショットの神秘的な神々しさ、そしてあの表情にやられる…美しい。多分きっと監督自体はネクロレアリズムの影響を多少なりともこの作品に与えてるような気がする。この時代と言うより70、80年代のアバンギャルドな作品を多く撮った世界の映画作家にはなかった独特な前衛的な試みがソクーロフの作品には多くある。

ソクーロフの作品には特徴がある。それは色である。様々な映画作家には特徴と言うものが存在する時がある。例えば北野武=暴力、アンゲロプロス=長回し、タランティーノ=チャンバラ娯楽(音楽を第2の脚本にする選び方)など様々だ。にしても、ユリズジツキーの撮影は遠近法的で凄いな、前作も彼が撮影を担当していたのが分かるくらいだ。子供が引き取られてしまうシーンでいきなり冒頭のカメラが地面に不時着した瞬間に逆さまになる演出が突如中盤からも行われる。

ソクーロフ映画には民謡が多く使われており、時にはクラシック音楽もあり、音での表現も重要視されているのかも知れない。本作も様々な音楽が流されていた。最後にこの作品を見る前でも後でも良いのだが、古儀式派と民族問題、そしてファウストのテーマを少し前情報とし得た方がいいかもしれない。

傑作。

『日陽はしづかに発酵し…』に似ている作品

ノスタルジア

上映日:

1984年03月31日

製作国:

上映時間:

126分

ジャンル:

3.9

あらすじ

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上映日:

2022年01月29日

製作国:

上映時間:

128分

ジャンル:

3.6

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上映日:

2016年10月29日

製作国:

上映時間:

115分
3.7

あらすじ

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