島本和彦の暑苦しい絵柄で下らないギャグを連発する同名原作漫画を可能な限り再現した実写映画。
原作と比べてさわやかな作品なので島本和彦特有の暑苦しさは物足りないが、これは当時流行していた「ウォーターボーイズ」や「ピンポン」など青春スポーツ映画のパロディを狙っている。
岡村孝子の『夢をあきらめないで』を主題歌に使っている点も完全にギャグなのだが、正統派青春モノを見終わったかのような満足感すら感じる。
監督は海猿シリーズでお馴染みの羽住英一郎。
脚本はギャグ漫画実写化の第一線で活躍している福田雄一。
2人の初期作品だが、ギャグのキレもVFX・CGの出来も当時の邦画としてはクオリティが高い。
キャストは玉山鉄二をはじめ「逆境ナイン」の世界観から出てきたような役作りでどのキャラも良い。玉山鉄二のキャラクターは度を越えたレベルのおバカさんだが、そのダメさにさわやかさすらある。当時の堀北真希がとても可愛いのでそこも本作の魅力の一つ。
本作は三重県でロケをしているのでご当地の小ネタも多い。
何度か出てくるジャスコ(現:イオングループ)の源流は三重県の岡田屋だったりする。
漫画実写化作品の中でも良く出来た映画なのでオススメ。