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未来を生きる君たちへのねるねるのレビュー・感想・評価

未来を生きる君たちへ(2010年製作の映画)
4.0
医師のアントンは暴力に暴力で返すのは愚かだと子ども達に教えるほどの人格者。でも彼が働くアフリカの難民キャンプは不条理が支配する社会。暴力が簡単に人間の命を奪ってしまう。アントンでさえ信念が揺らいでしまうのは人間だからこそとも言える。

デンマークとアフリカ。二つの社会を対比させて描く。状況はまったく違っても人間の本質は同じなのだ。

エンディングはアントンの車を追いかける子ども達の笑顔。20年後、何人かはビッグマンになるかもしれないし、ならないかもしれない。善人と悪人を隔てる何か。知識・教育って何より大事だ。

重苦しい内容なのだが詩情あふれる映像と音楽に救われる。人間も自然の一要素のように捉えた映像。影が多いのに効果的な光で、印象派の絵画のようだった。
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