逃げるし恥だし役立たず

ヒア アフターの逃げるし恥だし役立たずのレビュー・感想・評価

ヒア アフター(2010年製作の映画)
3.0
死後の世界にとらわれる3人の苦悩と解放を描いた群像劇。
死後の世界という永遠のテーマから冗長な展開は致し方無いとしてもクライマックスの三人の出会い方は滅茶苦茶である。本作は丹波哲郎監督ではなく、クリント・イーストウッド監督の作品なのだ。展開の方向性も一貫しておらず掴みどころがない。かと言って、全てを呑み込む津波、煙が溢れ上がる地下鉄駅、風光明媚な取材先の山岳地帯など映像表現は見事であり、三者のエピソードについて等しく同じ距離と温度に保つ上手な演出で丁寧かつ繊細に表現されており、完成度が低い訳ではない。評価が難しい作品である。

[補足(備忘録)]
アジアでの天災から臨死体験を経験したパリのフランス人記者のマリー(セシル・ドゥ・フランス)、元霊能力者で自身の特殊能力に苦しむサンフランシスコの工員のジョージ(マット・デイモン)、突然に双子の兄を亡くして喪失感に苛まれるマーカス(フランキー・マクラレン)の国籍も世代も性別も異なる三人が惹かれる様に出会う。