ユウコリリーナ

ヒア アフターのユウコリリーナのレビュー・感想・評価

ヒア アフター(2010年製作の映画)
4.3
死を体験した女性、双子の兄を失った少年、死後の世界と交信できる青年。
それぞれが抱える苦しみを、少しずつ癒していく再生の物語です。
パリ、ロンドン、サンフランシスコと別々の場所で別々の人生を送っていた3人。
みんな、自分を理解してほしくて
だけど心の隙間はどうしても埋められなくて
それでも自分と向き合って他人を受け入れて、新しい一歩を踏み出していく。
その過程が、大げさでなく説教くさくもなく、日常として淡々と描かれています。

死というテーマを扱っていますが、重くはないです。
死を美徳とも悲劇とも捉えていなくて、本当に淡々としてる。
けど、作品全体はやさしさにあふれています。
「死んだらスイッチがオフになる。ただそれだけだ。」
若干冷たく感じるかもしれない言葉ですが、そこに集約されている気がしました。

そして私は久しぶりに劇場で涙を流しましたよ笑
やはりトラウマ立ち直り系には弱い。。
観終わった後は清々しい、とはちょっと違うけど、ふわふわしたとてもいい気分になりました。
喪失の悲しみや、他の人に理解されない苦しみに寄り添ってくれるやさしい作品だと思います。

以下余談
日本公開は2011年2月中旬で、津波の描写があるため震災後すぐ上映終了になったという不遇の作品。
私は震災直前に劇場で観て、それ以来結構好きなのですが
レビューを見ると評価が低い低い笑
うーん、娯楽作やオカルトとはちょっと違うから、それを期待すると合わないかもなあ。

なおこのレビューは2011年3月10日のmixi(!)から掘り出しました笑
感じたことは9年前も今もほぼ同じ、やっぱり好きな作品は時間が経っても好きなもんですね☺