槙

愛を歌うより俺に溺れろ!の槙のレビュー・感想・評価

愛を歌うより俺に溺れろ!(2012年製作の映画)
-
ゼロ年代以降の少女漫画原作映画をすべて見る試み 47本目

男の子っぽい見た目で恋なんてしゃらくせえと思っていた女の子と女の子っぽい見た目でそんな彼女を一途に思ってきた男の子のラブストーリー、展開もカメラワークも正直日テレの深夜ドラマって感じのクオリティなんだけど、ゴスロリの衣装とライブシーンだけ異様にレベルが高かった。常々、登場する男子のファッションがダサい作品はハズレが多い理論を提唱していますが、この作品で言うとファッションが良いので結果的に「見るに耐えない」を回避できているという不思議な(失礼)ケース。ライブシーンも、今まで見た少女漫画原作音楽もの(「彼女は嘘を愛しすぎてる」「NANA」シリーズ、「覆面系ノイズ」)の中で一番良かった。要因としては「男装のガールズビジュアル系バンド」っていうコンセプトがはっきりしている上に、このジャンルはファンもバンドもわかりやすいので、ブレがない。ほかの少女漫画原作音楽ものは作り手の普段聴いてないけど、なんとなくロックってこんなんじゃね……???みたいなふんわりした雰囲気がプンプンしててファッションも曲もいろんなジャンルが混ざってる感じが否めないのだけど、この作品は違った……観客のバンギャっぽくロリータもかわいかった。

残念だったのは主題歌が男の主演のカラムさんの組んでいる大国男児というKPOPアイドルユニットの曲で、曲のジャンルが全然違う。主演だから仕方ないけど、せっかくだから主題歌も作品にあったビジュアル系の曲の方が良かったように思う。
槙