サトシ

ツィゴイネルワイゼンのサトシのレビュー・感想・評価

ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)
3.8
鈴木清順監督、内田百閒の短編小説「サラサーテの盤」を原案としたホラー映画。
1981年第4回日本アカデミー賞優秀作品賞受賞。

ジプシーの如く各地を旅する中砂は、親友であり士官学校独逸語教授の靑地と共に、弟を自殺で亡くしたばかりの芸者小稲と出会い、盲目の旅芸人3人の関係を噂する。その後、中砂は名家の娘である園と結婚するが、靑地は彼女が小稲と瓜二つであることに驚く。座敷で鍋を振る舞われる靑地は、園の自分が誰に似ているのかという問いに言葉を濁すが、中砂はあっさりと小稲という芸者だと答え、園は青ざめてひたすら手元のこんにゃくをちぎり続ける。
その後、中砂夫妻の間には娘の豊子が生まれるが、園は中砂が持ち込んだ悪性のスペイン風邪倒れ、まだ赤子の娘を残して亡くなる・・・。

【キャスト】
中砂糺:原田芳雄
中砂園、小稲:大谷直子(二役)
靑地周子:大楠道代
靑地豊二郎:藤田敏八
妙子:真喜志きさ子
先達:麿赤児
巡査:山谷初男
甘木医師:玉川伊佐男
キミ:樹木希林
宿の女中:佐々木すみ江

中々観れなくようやく鑑賞。
フライヤーの4人が現実と幻想の境目を行き来してしまう不思議な展開になります。
まるで舞台を観ているような拘った長回しワンカットと、光と影、鏡を使った表現は非常に見応えがありました。後半になるにつれて徐々に怖くなっていきます。
LP(レコード)から確かに誰かの声が入り込んでいるように聴こえるが何を言っているか分からなかいままでした。
原田芳雄演じる中砂糺がとにかく傍若無人で今の時代では中々観る事ができない役柄だけに引き込まれてしまいました。今は亡き原田芳雄の存在感は圧倒的ですので過去の出演作品をチェックしておきます。
大谷直子と大楠道代は妖艶で素晴らく特に大谷直子の美貌は眼を見張ります。
盲目の女性旅芸人がサービスでチラチラと股間を広げるシーンは面白いですね。男同士が殺し合うシーンは雑で笑ってしまいました。
名作をゆったりと鑑賞する贅沢な時間を満喫しました。
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