鈴木清順監督の艶美で甘美な映像。
スペインのヴァイオリニスト「サラサーテ」が独奏しているレコードを聴いてそれを取り巻く人達が妖艶な世界に迷い込んでいく。。。
原田芳雄が渋い。
大楠道代がエロい。
これは生きている人なのか、もうこの世にいない人なのか...
夢と現実が交錯している様な世界。
2人の主人公、中砂と青地。
中砂は瘋癲で、服装も着物に下駄。無頼漢。
一方の青地は陸軍士官学校のドイツ語教授で、服装は洒落たツイードのスーツにシルクハット。革靴。きっちりとした真面目な男。
何もかもが正反対な二人が何故か友人同士なのだ。
その2人が?青地だけが?
"この世とあの世"を行ったり来たりする。いや、もうこれはあの世なのかもしれない。この世でもあの世でも無いのかもしれない。。。ずっと浮遊している様な感覚。
劇中は、退廃的かつエロティシズムな雰囲気で、脈略の無いような映像が繰り返される。
それがまた"不気味さ"に輪をかけていく。
こう言うアヴァンギャルドな作品は、ちょっと身構えて観る。
「陽炎座」、「夢二」等の鈴木清順作品の他の作品も観たいのですが。
いつ観る事になるのかは分からない。