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天下の御意見番のmitakosamaのレビュー・感想・評価

天下の御意見番(1962年製作の映画)
3.6
スカパーにて。てーへんだ!てーへんだ!の一心太助の外伝的な物語との事。
一心太助が慕う大久保彦左衛門(月形竜之介)を中心にした物語。太助は錦之助が一般的だが、今作では松方弘樹が初々しく演じている。
三代将軍家光(北大路欣也)への新年の挨拶の登城の最中、江戸所のお堀で外様大名と旗本が喧嘩になる不始末。だが老中は大名に甘い片手落ちの判断をしてしまう。

実際、江戸務めの旗本よりも各地の大名の方が偉いのかなと思っていたが、旗本もかなり強気でビックリする。

収まりがつかないのが旗本衆。てーへんだ!てーへんだ!
そこへ天下のご意見番・彦左衛門がフォローに入る。
最初、彦左は家康の肖像画と会話をしてる。これだけで彦左が誠実で実直な人間だとがわかる良い演出だ。

切腹しようとする旗本を窘め、怒れる旗本衆を押さえる。
この変わった半纏を着ている無頼な旗本の集団が六方組。かぶき物の旗本を“旗本やっこ”とも言うんだそうな。
勉強になりますなぁ。
だが彦左衛門は水戸頼房(歌右衛門)に窘められてしまう。頼房は水戸黄門の父親とのこと。

と、ここでまさかの展開。大阪から押し掛け女房が登場!大坂夏の陣で食糧援助してくれた米問屋の娘が、年齢差も顧みず結婚の申し込みだ。ラムちゃんのような突拍子も無さだが、コレが案外に良識派なのだ。
彦左衛門の問題を良い感じにアドバイスするあげまんっぷり。

旗本への駕篭による登城禁止令が出た際に、有名なタライに乗って登城する。

その後、大名にむかって大砲を撃つなどの切腹覚悟の策に出るが、家光との和解により無罪となる。
旗本のことをもっと考えてくれという彦左衛門の願いが叶うという人情味溢れる清々しいラストだ。
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