よーだ育休中

インディ・ジョーンズ/最後の聖戦のよーだ育休中のレビュー・感想・評価

4.0
1938年。ヴェニスから届いた小包を受け取ったIndiana Jones(Harrison Ford)は、博物館の出資者より『キリストの聖杯を探索に出掛けた父親Henry Jones(Sean Connery)がヴェニスで行方不明になった』と告げられる。父の旧友であり、Indianaの所属する大学の上司でもあるMarcus(Denholm Elliott)と共に父が消息を絶ったヴェニスへ飛ぶ。


◆ You lost today kid, but
ーthat doesn't mean you have to like it.

フィールドワークに精力を注ぐ考古学者であり、文化的価値のある遺物を収集するトレジャーハンターであるIndiana Jonesの活躍を描くトリロジーの集大成。旧三部作の中で一番好きな作品です。

1912年のユタ州で、若きIndiana Jonesが活躍するパートから幕を開けた今作。若き日の教授を演じたRiver Phoenixが抜群に格好いいことは言うまでもありません。幼い頃から勇敢で正義感が強かったこと、父親との関係が微妙であったことを描くのみならず、彼のトレードマークである『フェードラ(中折帽)』にまつわるエピソードが明かされた時はちょっとグッときてしまった!

何故、Indyは蛇が大の苦手なのか。
何故、Indyは鞭を武器とするのか。

短い尺でサラリと、テンポよくコミカルに纏められたヒーローのバックボーンに迫るシークエンスは非常に見応えがありました。


◆ Sharing your adventures is
an interesting experience.

シリーズの一作目である『レイダース』に原点回帰したようなプロットも非常に好ましいです。前作『魔宮の伝説』ではインドの辺境を舞台に犯罪集団《サギー》の残党と戦いました。今作では『レイダース』同様《ナチス・ドイツ》を相手に《キリスト教の聖遺物》の争奪戦を繰り広げます。僕はがっつり西洋かぶれなので、此方の雰囲気の方が好み。一つ一つ謎を解きながら《聖杯》や《聖櫃》を目指す宝探しの様なプロットも、やはり此方の方がわくわくして好みです。

今作でIndyと冒険を共にするのは中世文学の教授である父親Henry Jones。聖杯調査が趣味という御仁。Indianaと同等またはそれ以上に頭のキレるインテリがパートナーということもあり、聖杯探索の道中は非常に見応えがありました。

お父様はインテリジェンスが高いですが、あまり《現場》に慣れていないのでうっかりピンチを招いてしまう場面も。そこがコミカルに描かれていて面白かった。前作のようにIndianaが一人でボケ続けることは無く、父子の掛け合いが微笑ましい。

親子関係について双方大いに見解の相違がありましたが、聖杯探索を通じてJones親子の距離が縮まっていく過程もよかったです。親子揃って同じ女性のハニートラップに引っかかる当たり、やっぱり似た者同士なのかな。


◆ Indiana... let it go.

世界各地を飛び回り、ついに聖杯が隠されたトルコ南部に位置するハタイ共和国の遺跡へと辿り着いたJones父子たちとナチスの調査団。

ヨルダンの世界遺産『ペトラ遺跡』で撮影された本作のラストシーンこそIndiana Jonesシリーズの集大成だという気がします。《神の息》《神の言葉》《神の道》という三つの試練をくぐり抜けるシーンは、小難し過ぎず、テンポが良く、程よく過激な描写もあって、大人になってから見返してもワクワクする名シーン。

父親であるHenryが初めて『Junior』ではなく『Indiana』と呼びかける場面も印象的。最後の最後で『Indiana Jones』という名前に隠されたマル秘エピソードが語られるのも面白い。主人公のキャラクター設定がここまで詳細に作り込まれているからこそ、(あまり評価は高くないようですが)20年近く経て制作された『クリスタルスカルの王国』でセルフオマージュをふんだんに用いる事が出来たわけですよね。


~~~~~~~~~~~~~~°∠

インディ・ジョーンズの新作公開に向けて、過去シリーズをちぃちゃんと「ちいよだ」マラソン中!トリロジーを終えて、残すは『クリスタルスカルの王国』のみ!ちいちゃんここまでご一緒ありがとう!

レビュー投稿の裏で金ローが『魔宮の伝説』を放送してるのも何となく嬉しい。見れないけど…。