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インディ・ジョーンズ/最後の聖戦のmorettiのレビュー・感想・評価

4.5
昭和インディ・ジョーンズ最終作をスクリーンで感激やったぁ!
観たのはフツーに平日夜でしたけど、終幕後は拍手が沸き起こってました。
 
これも飽きてるっちゃ飽きてるくらいに繰り返し観てるんですけど、やはり大銀幕で繰り広げられる冒険活劇には問答無用の充実感がありますし、この時代の鷹揚な娯楽映画の堂々とした在り方に、もうすでに失われてしまった映画の姿へのノスタルジーとともに恋焦がれてしまいます。

ヒロインたるショーン・コネリーの愛嬌と含蓄、10代終わりのころの体幹が不安定なリバー・フェニックスの瑞々しさ…
素敵。としか言いようがない。
 
改めて観て「レイダース」「魔宮の伝説」ときて全方位的な大衆娯楽作を志したような王道の面白さがあり、とくに乗り物ですよ!

馬から列車から自動車からボートから飛行機からバイクから飛行船から戦車まで、映画史で描かれまくってきた乗り物アクションの満漢全席!という感じ。

冒頭とラストは馬で西部劇への思慕も忘れないスピルバーグの宝箱のような映画。
たしか若インディのシークエンスの撮影はモニュメントバレーじゃなかっただろうか。もちろんそこはジョン・フォードの聖域ですよね。
「魔宮」はバッドテイストに全振りした一作ですけど、本作は乗り物に全振りしているとも言えます。
 
あとはやはりショーン・コネリーの魅力ですよね。
もちろんスピルバーグはそこにジェームズ・ボンドを見出しているのですけど、キャラクターとしてはボンドガール的でもあり、80年代スピルバーグのテーマである“父親の不在”としても思い入れたっぷりに描かれていて、ヘンリー・ジョーンズ・シニアとジュニアの抱擁にはちょっとグッときちゃったりしました。
あとこの映画で〝ジジイ萌え〟概念を生んだと思います。
 
その分割食っちゃったのが、本来のヒロインであるところのアリソン・ドゥーディさん。彼女も元ボンドガールなのでそれっぽさもありつつ、ヒッチコックのブロンドヒロイン(特にティッピ・ヘドレンぽい)の徒な感じがよかったし、ナチスの焚書に涙しているところなんかはキャラクターがぐっと広がって好きなところです。
 
正直なところ、謎解きアドベンチャー的な面白さは少なめですが、キャラクターの面白さと乗り物アクションのつるべ打ちが本懐の映画だなと思っています。マークスが曲乗りで「いえーい」とおっちょこちょい炸裂して去っていくところは超好き。
 
一緒に行った妻は「リバーもいいけどショーン・コネリーよね」と主演を無視してうっとりしてました。
リバー・フェニックス、生きていたら今はどんな俳優になっているだろう…という切ない想像もしちゃいましたね。
俳優を引退してどこかの田舎で食いもん屋なんかやっていたかもしれません。
 
とにもかくにも、娯楽映画の王道で乗り物アクションを銀幕で喰らって大満足!
「レイダースのマーチ」のアレンジも、この映画のが好き。穏やかな導入部から始まるこの曲がラストにかかるのはイイよね。
「冒険はこれからだ!」感がガン上がりで、なんというか、非日常をおみやげに日常に返してくれる感じ。
 
平成令和の続編は薄目で存在を確認しますが、やはりこの昭和のインディ三作は最高です。
もうあんまり見かけることのない「STARRING HARRISON FORD」を大銀幕で観る喜びはなににも変えられません。
ハリソンさんにはもう働かなくていいから長生きしてほしい、と思っております。
(今改めて見るとスターウォーズから90年代いっぱいはヒット作代表作だらけですげ〜な)
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