beachboss114

銀座旋風児(ギンザマイトガイ)のbeachboss114のレビュー・感想・評価

4.0
日活の十八番、大人の「ごっこ」映画。

赤影参上シーンでコーヒー吹いた。そして、むせた。さすがは〝月光仮面〟川内康範先生。ここでも随所でニッポンの行く末を憂いていらっしゃる。

設定ガバガバ、展開スカスカ、「話は全て聞かせてもらった」系。キャラはマンガでも、衣装やスタイルだけはバッチリ決まったタカラヅカ●組公演みたいな感じ。

探偵のようなスパイのような、とにかく謎解くスーパーヒーロー。んでもって、敵味方を問わず女心を虜にする色男。でも本業は、銀座の超人気インテリアデザイナー。なぜ銀座? なぜインテリア? 何でまた超人気?

要するに、随所の「?」を楽しみながら見る映画。「迷」や「珍」と言い換えてもいい。

「ちょっとしたモナコかラスベガスですなぁ」をはじめ、ちょっとした迷台詞・珍場面の宝庫でもある。

軍の特務機関による戦費横領ミステリーって設定は『シャレード』の先駆けだったりして、一応の仕掛けはある。解き方が雑なだけで。

目の下の隈ができる前のルリ子は無駄に神々しく、若き日のアキラは岡田将生にも似て(ついでに沖雅也にも)。

そして、悪のボスの情婦かダンサーと言えば〝婿どの〟白木万里。意地悪そうで憎々しい面構え。最後は必ずボスを裏切って改心。お約束。

とまぁ、こんな書き方じゃ読んでる方も何のこっちゃサッパリだと思うので、最後に分かりやすくまとめておくと、
「キャーッ、銀座せんぷうじさんよ!」「これはこれは、せんぷうじ先生」「ちっくしょ~せんぷうじの野郎め」「どこに消えやがった、せんぷうじ」「おぼえてやがれ、せんぷうじ!」「さすがのせんぷうじも今ごろは魚のエサよ」「誰だ貴様? 正体見せやがれ。生きてたのか、せんぷうじ!」、そんな映画。

みんなでごはん食べながら見てると楽しいよ。
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