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捜査官Xのkyoyababaのレビュー・感想・評価

捜査官X(2011年製作の映画)
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良作。あまり知られていない?ように思われて勿体ない。『捜査官X』という、内容をちゃんと理解していない日本の配給会社が適当に付けたのではと思われるあまりにも雑なタイトルのせいか(本作は武術家ドニー・イェンと官吏金城武のダブル主演のサスペンス・アクションであり、捜査官自身を描いた話ではないし、そもそも捜査官を『X』と呼ぶべき理由もストーリー上まったく無い)。

清朝が舞台のアクション映画で、ジョン・ウーばりの早回し・スローモーションを多用し、ときおり見せるまるでヌーヴェルヴァーグかのようなカメラアングルやパンはなかなか面白かった。さらには、香港武術のアクションシーンにディストーションギターがゴリゴリのロック・メタルのBGMを被せているのが興味深い。人によっては気持ち悪く感じるかもだが、SFX満載の現代アクション映画の新しい描き方としてフィットしていた。

前半で無駄に尺を取って描いているように見えた金城武の鍼治療シーンが、実は重要な伏線として仕組まれていたのもグッド。武俠の道に居ない側の人間として悪に立ち向かうためのツールとして結末に収斂していた。ラスボスはジミー・ウォング。彼はだいぶ歳をとったように見えるが、オーラも武術も健在であった。

エンドクレジットにかかる曲があまりにもダサい中国ロックなのは御愛嬌、ぜひ聴いてみてほしい。
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