おれさま

震える舌のおれさまのレビュー・感想・評価

震える舌(1980年製作の映画)
3.6
"妙だよなあ、人間の暮らしって。儚いよ"

破傷風の恐怖、これぞリアル。
症状出現とともに不穏な音楽が駆り立てる演出。家族と医療職者の苦悩、疲弊していく姿。なにより、女の子役、本当に頑張りました。

ホラーなんて枠組みで語るべきじゃない。まさしく、未知の疾患と闘う現代と変わりない話。題名である震える舌とは、破傷風の症状である開口障害、嚥下障害、筋肉の痙攣が由来ですね。この歪な題名が、なお一層に疾患の恐怖を引き立てました。
作品の評価としまして、怖さはわかりますが…中盤以降の展開は辟易してきました。過剰すぎたかなとも。

破傷風が流行っている時代に生きていた訳ではありませんが、今では4種混合ワクチンのおかげでほぼお目にかかることのない疾患となりました。いやお目にかからせないでください。そして医療職は、"アレスト"本当に聞きたくない言葉ですね。
時代は違えど、この医療職者の細かい動作はしっかりした監修・演出家が入ったのでしょう。地味にですが丁寧でした。医療器具や環境等々に関しては今じゃ考えられないものばかりですが笑。細かいですが、バイドブロックの見た目、形が大きく変わりなくてそれはそれで感動。お、この撮影場所、聖路加国際だったか。

10年で破傷風の抗体は消失していきます。
皆さんもそろそろ追加接種の検討を。

ちょい久しぶりな映画鑑賞でした。
じっくりと映画に向き合う時間が取れなくなっております…
前々から気にはなってた作品でしたので、ようやくの気持ちでしたね。医療発展の実感、しみじみと。

"あたし、この子絶対助けるわよ"
おれさま

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