mingo

銀心中のmingoのレビュー・感想・評価

銀心中(1956年製作の映画)
4.1
水平からズレたカメラアングルは心の歪みか、降り積もる雪と相乗効果をうむ素晴らしい演出の数々、新藤兼人監督作で一番好きかもしれない本作しろがねしんじゅう。というのも影響下にはあまりないかもしれないが助監督に中平康が参加しているのよ。中平が居るだけで芸術臭がムンムン立ち込めてくるから不思議。舞台は戦時から戦後にかけて床屋を営む乙羽信子長門裕之宇野重吉の三角関係を巡るメロドラマだが、焼け野原になった阿佐ヶ谷を再現した美術やどこまでも追いかける乙羽の執念とよく話し合おうの一点張りの宇野重吉と宇野の恩を裏切れない長門の三者の気持ちがぶつかり合う。なぜ一緒に死ななかったんだ?と殿山泰司の声だけがこの世に残る、素晴らしいラストに絶句。傑作
mingo

mingo