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太陽の王子 ホルスの大冒険のhasseのレビュー・感想・評価

3.3
少年の冒険のあらゆる要素がぎゅっと詰まった作品。太陽の剣(錆びて使えない)の入手、父との死別、旅立ち、怪物退治による共同体への参入、闇を抱えた少女との出会い、悪魔(ラスボス)とのバトル、剣の覚醒、悪魔討伐、大団円へ…。

ドラクエ等の王道RPGでありそうなストーリーを、1968年の大昔にやっている。高畑勲監督作。

テンポはいいし、登場人物たちが余計な思想や感慨をしゃべらないのでとても観やすいのだが、どうしても面白ポイントが気になってしまう。
・ホルスの着替えのシーンで、全裸のうえに衣服を身につけている。→彼はずっとノーパンで戦ったり、少女を闇の淵から救ったりしているのだ…。裾が短いから余計にノーパン感が際立つ。
・悪魔(ラスボス)の雑魚っぽいキャラデザ、台詞回しがツボ。世界中の人類を滅ぼす計画のくせに、実績が数ヶ所の村を壊滅させただけ。攻めかたもチマチマしてるというか、村一個焼き払うくらいの黒魔術は使えないのか?『チャー研』のジュラル星人的な回りくどさを感じる。部下もモブい銀狼たちと、心優しき妹くらいしかいない層の薄さ。最後、居城に攻めこまれ、村人らから火のついた槍を投げ込まれて痛がる様子には同情を禁じ得ない…。
・ホルスと少女の会話のかみあわなさ。出会いのシーンで、ホルスが父以外の身寄りなく生きてきたことを知るや否や、少女は「あなたもなの?私もよ!てことは私たち双子なんだわ!」とウキウキ喋り出す。決めつけが激しいタイプ。その数ラリー後にやっとホルスがしみじみ「君も一人で生きてきたんだね…」と言うのもなんかタイミングおかしい。

多分まだまだあるので、ツッコミどころを探しながら観るのも一興。
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