喜連川風連

太陽の王子 ホルスの大冒険の喜連川風連のレビュー・感想・評価

3.0
高畑勲監督デビュー作。
宮崎駿×大塚康夫×高畑勲のゴールデントリオ。
子ども向けに宣伝し、内容は強いメタファー含んだダークファンタジー。

アイヌや世界各地の民話を集め、脚本化。
衣装や音楽も北方民族の色合いが強い。

子ども向けアニメながら、背景に労働運動や、安保闘争といった世相の雰囲気を多分に含んでおり、
労働の尊さを説くが、内ゲバによる組織の崩壊、悪魔(権力)という共通の敵に立ち向かう様も左翼運動に近い。
(実際にその後、高畑と宮崎は東映の労働運動に関わることとなる)

太陽の剣(アニメーターでいうペン)をみんなで研ぎ、敵(社長や権力者)に立ち向かう。

これだけのテーマ性を含んだ結果、東映動画始まって以来の記録的大コケになった。

実際、観ていて官能小説の作家に、純文学を書かせているような違和感があった。
しかし、今の萌えアニメの影響が全くない純粋なアニメーションの真髄を見ることができ、よかった。
喜連川風連

喜連川風連