久しぶりにアキ・カウリスマキ。
可笑しみとノスタルジー漂う不思議な心地良さがやっぱりクセになる。
ちょっと初期のジャームッシュ作品を彷彿とさせる作品だった。
そして、監督作品に常連のマッティ・ペロンパーの遺作との事。
コーヒー中毒のマザコン洋裁屋とウォッカ瓶を持ち歩く自動車修理工。2人のフィンランド男が唐突に旅に出た途中、エストニアとロシア人の二人組の女性を拾い港まで送ることにする。
4人は、ほとんど無口でテーブルを囲み、車内での会話もなく、ホテルでは2組それぞれの部屋を取るが何も起こらない。
彼女たちを港まで送り届け、このまま本当に何もないのかと思ったら…
大の大人が内気すぎる。不器用すぎる。
ただ、特別な何かが起こらなくても、それでも、ちゃんと心が通ってる。
ジャケのシーンがとても素敵。
タバコに火をつけてあげるシーンも可愛い。コーヒーミルのプレゼントもたまらない。
そして、ラストはオープニングとまったく同じ光景でエンドクレジット。
独特のシンプルな語り口と奇妙な間と、とぼけたユーモアで綴った、愛しのロードムービーだった。