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愛しのタチアナの周辺住民のレビュー・感想・評価

愛しのタチアナ(1994年製作の映画)
3.9
カウリスマキの中でも特に地味で異質な一本だった様に思う。

ストーリーは確かに他の作品にも増して何も起こらないが、カティオウティネンやマッティペロンパーのそれぞれ確固たる友人が居ることがとにかく異質。(敗者三部作や労働者三部作を観た後だと特に)

彼らがカウリスマキの映画で笑っていることがどれだけ異常事態か、というのも失礼なことだが観ていて新鮮な感覚になったのも確か。

残された友人にもしっかりとスポットライトを当てているのはケリーライカートの『オールド・ジョイ』をほんの少し連想させた。

独自の色彩感覚を白黒での撮影で縛ったことも面白いがある程度彼の作品を観ていると勝手に色が補完される所もあり面白かった。
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