すぐる

愛しのタチアナのすぐるのレビュー・感想・評価

愛しのタチアナ(1994年製作の映画)
4.3
愛しのおじさんたち。女性陣に(アキ監督にしては)表情豊かに喋らせた分、無口で不器用なおじさん達のかわいさが際立っていた。
ショートカットのカティ•オウティネンも明るい印象で魅力的だった。

船で即再会するシーンの、気まずそうな、吹き出してしまうほど滑稽な、でも嬉しそうな雰囲気がたまらなく好きだ。たばこをさり気なく断るロシア女性の仕草がいい仕事してた。

道中の出来事はすべて妄想とも取れるラストとなっており、ロックな人生への憧れを道端の小さなテレビで紙コップのコーヒー啜りながら膨らませていたかと思うと悲しすぎる。
でも、最後の最後、ミシンが奏でるリズム音は俺にはロックのギターに聞こえたよ。つまらない日常にもロックはある。
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