はんそく負け

愛しのタチアナのはんそく負けのレビュー・感想・評価

愛しのタチアナ(1994年製作の映画)
5.0
再見。カウリスマキ史上最も短い劇映画であるにもかかわらず、実はタイトルまでに流れるバイクに跨る男女という図で全体を要約しきっているという(つまるところ男女のロードームービーなのだ)。どこまでも経済的な映画。
視線あるいは個人のみを映してから男女の位置関係を提示するというやり口が頻出していて、当然意表を突く効果もあるんだけど、なんとなく小っ恥ずかしいからこういう手法を取ってるような気がする。
再見して一番面白かったのはヴァルトがコーヒー切らしてママにぶちぎれる冒頭。握りこぶしのクロース・アップあほくさすぎる…。それにしても人物の名前の出し方に感心する。