猿山リム

ドラゴン怒りの鉄拳の猿山リムのレビュー・感想・評価

ドラゴン怒りの鉄拳(1972年製作の映画)
2.0
 辰年にドラゴン映画を観よう大作戦。
 映画界でドラゴンといえば、この人しかおらんやろ・・・と、手に取ったのがこの作品。
 ブルース・リー映画そのものを今まで観ていなかったのでいい機会ということもあり(ブランドン・リー作品は何本か鑑賞しているんだけどね)。

 日本(大日本帝国)が統治する上海が舞台なんだろう。
 中国人が差別的扱いを受ける中で、中国武術の道場と日本武術の道場が喧嘩するだけの映画。
 今のヤンキー映画の文法に近い気もする、勿論今のヤンキー映画の方が、この時代の映画作品をリスペクとしているんだろうけどね。
 社会情勢を語り社会派を匂わせつつ、そんなに奥深い理由もなく、バカが暴走するだけの内容。
 道場の師匠が急逝し物語は始まる。
 師匠の死に裏を感じ取った愛弟子の主人公は、ひとり暴走して滅茶苦茶する。
 考えなしに滅茶苦茶するから滅茶苦茶になるから滅茶苦茶なんだけど、主人公だからかっこよく決まる。
 そんな映画。
 つまり内容を考えたら、特に何もないスカスカな印象。
 こんなスカスカなストーリーでも、成立させてしまうのがブルース・リーのアクションといえるのかもしれない。
 映画は物語派のわたし的には無理矢理褒めているけど。
 まぁ正直、この武術バカは、この状況なら考えなしに暴走するな・・・という空気を纏って闘う姿は、物語で語る以上の説得力はあった。
 バカな主人公ヤンキーが、考えなしに闘いに向かう姿に似ている。
 ・・・正直、ヤンキー映画にこの時代の映画をリスペクとしているつもりはないと思うので、こういう作品を追及するとこの構造にたどり着くのかもしれないな・・・なんて思ったりもした。

 あちょー。
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