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がんばれ、リアムののんchanのレビュー・感想・評価

がんばれ、リアム(2000年製作の映画)
3.9
やっぱりスティーブン・フリアーズ監督は相性合う💞これもとても好きな作品でした。

7歳のクラスで1番ちっちゃくて痩せっぽちで吃音症の少年リアム。彼のピュアで冷静な視点から世の中を見つめる人間ドラマ。

冒頭の父親の髭剃り🪒タイムを家族が見守っている風景は温かみがあり、これから始まるコメディタッチドラマ?を想像したのに、いやいや時代は30年代のイギリス。不穏な時代で、失業、就職難、貧困で、家庭崩壊の危機が迫る。
リバプールの庶民の暮らしぶり、キリスト教が支柱になっている人々の生活は、お金があってもなくても教会通いが当たり前。

父親は頑固で一本気。失業はアイルランド移民とそれを雇うユダヤ人のせいとしている。不信心で神父に唾を吐く。
母親はキツイ性分で、そうもしないとやりくり出来ない。
成人した冷静な兄と、まだ10代だが家政婦の仕事が出来る優しい姉。
美術図鑑で裸婦の絵を穴のあくほど見つめるリアム。

貧困でもリアムの初聖体拝領の日がやって来る。なんとか借金して新しい服を着せられるリアム。
2度目の懺悔室で、とうとう心の内を言えた時、胸の澱が落ちて言葉が出てくる。
リアリティが心を追い詰めたり、温めたりで、こちらも一緒に一喜一憂を体験したような気持ちになりました。

リアムが母と姉の辛い気持ちを和らげるために、率先して髪の毛を櫛で優しく撫でてあげる姿はほんと可愛かったな〜🥺
突然、小さな幸せが舞い込み、お姉ちゃんと一緒に映画館で楽しむ姿、良かったな〜🥰
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