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推手のchipのレビュー・感想・評価

推手(1991年製作の映画)
4.0
1991年、アン・リー監督の長編デビュー作
そして父親三部作の初回の作品。
この間観た「恋人たちの食卓」は三部作の最後の回だったようです。


中国からニューヨークの息子夫婦の元に来た父。
70歳の父親を演じたラン・シャン、
凛として頑固で真面目で…
中国の父親そのもの、のイメージです。
アメリカ人の嫁は舅が気になって執筆の仕事が進まない!
食がまるで違う、時間が違う、言葉が通じない…
これじゃあストレスだわ~^^;
間に入って困り果てる息子。。


太極拳の名手の父は、
たくさんの人たちに教えていました、
老人さん、アメリカ人、アジアの人…
生とも様々で…楽しそうでした。
人生のベテランにも生きがいは必要ね~
女友だちとの掛け合いもよかった、
同じ年代で分かり合えることもあるから。
大きなぶつかり合いのあとの父の選択もよかった!

「推手」とは、
攻撃してくる相手の動きを、バランスよく自分の攻撃に利用する技だそうで…
彼は一歩も動かずにたくさんの人たちを倒していました、お見事!

派手さは全くない
静かに進む家族のドラマをじっと見ていました。
とても良かったです。


DVD特典でアン・リー監督のインタビュー映像が付いていました。
台湾の脚本コンクールで一位を取ったから制作できたそうです。
家族ものは予算もあまりかからないから作りやすい、とも話していました。
「ブロークバック・マウンテン」でアカデミー賞監督賞を取った直後のインタビューだったようです。
アメリカでは映画の題材もたくさんあるし自由に制作できるけれど、
中国では制限が厳しいから難しいと…。
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