あ

推手のあのレビュー・感想・評価

推手(1991年製作の映画)
3.6
文化の対立をそれとなく料理で見せてしまうアイデアは非常によかったと思います。単に食卓を暗くするだけで気まずさを出すような陳腐な演出にはなっていませんでした。また、嫁の胃を気で攻撃したり、方向音痴な義父を街に送り出したり、確信犯的に互いを追い出す時の静かな怖さが割と好きです。

ただ、あまりに中華色が強すぎて、アメリカをほとんど感じられなかったのは残念でした。おそらく米中両文化をうまく取り入れた夫こそ、文化的な対立を面白くさせるキーだったように思いますが、そもそもアメリカ社会に混じっている様に見えなかったので、全体として中国に嫁が来たみたいに見えてしまっています。
あ