このレビューはネタバレを含みます
未公開シーンを加えた「ディレクターズ・カット版」。とはいってもノーカット版という意味じゃなくって、劇場版から減らしたシーンやリズムを変えたところもあって、厳密には「もうひとつのエイリアン」と言えますね。
完成度はハッキリ言うなら劇場版の圧勝ですが、追加シーンはなかなか良くて、興味深さが増しました。特に絶対こだわったって言えるところは次の場面。
“エイリアンに襲われたブレットや船長ダラスがどろどろに溶けていって卵に変化する”場面。
そこは某雑誌を事前に読んで字面で知ってましたが、実際見ると人知どころか理解の及ばぬ場面でした。でもスッゴいエイリアンを人間が理解できない存在として描きたいって、監督のこだわりみたいなところが大変好きですね(アンタつくづく変態だよな)w
あとも一つ挙げるとするなら、フェイスハガーに寄生されたケインを船に入れるか否かでリプリーが拒んだことに平手打ちするランバート。そこは見てて“いやいや、絶対リプリーが正しいわ”って内心ツッコミ入れてましたし、そりゃあああいう末路になるよ。ランバート、殺られる前から最早限界だったしね。
しっかしまあ何度見ても、アッシュの白い血液にミルク(正しくはコンデンスミルク)を採用したのはスゴい。それまでのアンドロイドの血の色がどんなものであったか全然覚えてないが、あのミルクで市民権を獲得したも同然ですよ。
まとめると本編は劇場版の圧勝ですが、隠しコマンドで発見した秘密の部屋を見つけたようなボーナス感が詰まっているので、これはこれでアリでした。
ズルいよこれは。
他にも小ネタがあるんじゃないかと気になるし。