Mikiyoshi1986

エイリアン/ディレクターズ・カットのMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

3.8
5月12日は「エイリアン」のバイオメカデザインを手掛け、SF映画史に残る芸術的クリーチャーを創造した天才デザイナーH.R.ギーガーの没後3年目に入ります。

劇場公開版にリドリー・スコット監督自らが未公開シーンを追加し、新たに編集し直したディレクターズカット版がこちら。

エイリアン一作目の成体ビッグチャップやスペースジョッキー、廃棄船内のセットなど、機械的でありながらも生物的なその造形美は、ギーガーの才能が遺憾無く発揮された渾身の代表作と云えるでしょう。

そしてディレクターズカット版で最も嬉しいのは、やはりダラス船長の繭シーンが追加されたこと。
グロテスクな独特の紋様が壁一面に施されたギーガー繭は圧倒的!
自分の部屋もあんな風にしてみたい…。

生殖器をモチーフとしたエイリアンの邪悪な形態は、他にも性的な暗喩が込められた演出を更に補填する役割を担います。
男性器のように伸びるエイリアンの二重顎、ランバートの股下にゆっくりと忍び寄る尻尾、先っぽから滴り落ちる液体…。

後半はビビりながらも女スタローンばりの勇敢さを見せつけてくれるリプリー。
彼女の半ケツシーンが全然嬉しくないのも、エイリアン(男性器)を徹底的に駆逐するシンボリズムが暗に主張されているからなのかも知れません。

そういえば今横浜でギーガー展がちょうどやってるからめちゃめちゃ行きたい。国内巡業してくれないかな?
あとエイリアン最新作「コヴェナント」がいよいよ来週アメリカで公開されるのに、なんで日本は9月公開なん?!配給会社のアホンダラー!
Mikiyoshi1986

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