たけちゃん

エイリアン/ディレクターズ・カットのたけちゃんのレビュー・感想・評価

4.5
素晴らしい純粋さだ……
~サー・イアン・ホルムに捧ぐ~


リドリー・スコット監督 2003年製作
脚本ダン・オバノン、音楽ジェリー・ゴールドスミス
主演シガニー・ウィーバー、イアン・ホルム


悲しいお知らせが届きました😂
「エイリアン」のアッシュや「ロード・オブ・ザ・リング」のビルボ・バギンズ役で知られるサー・イアン・ホルムさんが6月19日に亡くなられました。
そこで、緊急レビューです!


詳しいバイオグラフィは、今度、今日は何の日シリーズで取り上げたいと思いますが、「ホビット」シリーズで観た姿が作品での最後となりましたか。死因はパーキンソン病に起因するものだそうです。88歳でした。
僕にとって、イアン・ホルムさんと言えば、やはりアンドロイドのアッシュ。なので、彼を偲ぶにはこの作品しかありません。







さて、映画です。
感想と思い出とネタバレが混じります(◦ˉ ˘ ˉ◦)







もう、何度観たか分からない。
それでも、観る度、新たな発見もあり面白いです。
思い出補正などではなく、紛うことなきSFホラー映画の傑作!ただし、娯楽好きのたけちゃんは「エイリアン2」が好きすぎて、こちらのスコアは4.5です(ˆωˆ )フフフ…
詳しい感想は、以前オリジナル版のレビューに書いたので、割愛。読み直したけど、成長してないので、追加する話もほとんどない(笑)

今回はディレクターズ・カット版ですが、キャメロン監督の「エイリアン2」などとは違い、リドリー・スコット監督はディレクターズ・カットといってもあまり変化がありません。それほど、オリジナルの完成度が高い( ˘ ˘ )ウンウン



僕はオリジナル版を公開当時に劇場で観てますが、その頃は詳しい情報もなく、何となく予告編で惹かれて観に行ったと思うんです。

で、オープニングの「ALIEN」の文字が出てくるところから、本当に良い。観ている僕らが緊張してきますよね。素晴らしい始まり方。
ただ、ジェリー・ゴールドスミスの音楽の効果もあるけど、演出がホラーですから。「スターウォーズ」以降だし、SF映画だと思って観に行ったから、こんな怖い映画だと思わなくて、震えましたよ(笑)



ディレクターズ・カット版の特筆すべき点は、繭にされた船員たちの場面。「エイリアン2」では描かれていましたが、オリジナルの1作目に既に存在していたんですね。あの繭はキャメロン監督の創作だと思っていたので、驚きました。
ただ、ちょっと言うと、この設定だと、エイリアンって雌雄同体ですよね。マザーがいないから。
だから、そうなると、軍隊アリのようなエイリアンとマザーを描いた2作目とはちょっと違う。
本家はリドリー・スコットだと考えると、やはりキャメロンの2作目が亜流となるんだろうなぁ。面白いけど( ¯−¯ )フッ

今作はデジタルリマスターされているので、とにかく細かい部分まで良く見えます。リドリー・スコットの作り込まれた映像美を堪能できましたね( ˘ ˘ )ウンウン





さて、今回はサー・イアン・ホルムを偲ぶレビューなので、アッシュを中心に語りましょう。

今さらネタバレでもないかもしれませんが、アッシュはアンドロイドです。でも、やっぱり知らないで観た方が驚きがある?
知って観ても、楽しいよ。

イアン・ホルムがとにかく不気味で。
2作目のランス・ヘンリクセンが演じたビショップが大好きなんだけど、アンドロイドの不気味さはイアン・ホルムの方が出てましたよね。
昔は科学に対する信奉があったけれど、それへの警鐘の意味も含んでいるので。このへんは、「2001年宇宙の旅」のコンピューターHAL9000とも通じる。


どのへんからアッシュがおかしくなるのか、そこが少し謎なんですが、僕としては、与えられた命令を実行しようとすると、本来組み込まれた倫理観と齟齬が生じて狂ったのかなぁ……と推察。

リプリーを襲う場面は完全にホラー。
本来の敵であるエイリアンより不気味でしたよ。
あの場面の狂った演技は、イアン・ホルム、本当に上手でした。口から白い液体出して、大変だったんでしょうね( ˘ ˘ )ウンウン





今作で世界的に知られるようになったイアン・ホルム様。1998年にサーの称号も与えられている素晴らしい英国俳優でした。

サー・イアン・ホルム様、ご冥福をお祈りします。
安らかにお眠りください。