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アキラ AKIRAのトシのネタバレレビュー・内容・結末

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

🎬AKIRA-アキラ-🎬

Netflixにて鑑賞

公開日1988,07,16

監督#大友克洋 *
声の出演#岩田光央 #佐々木望 #小山茉美 *
【ストーリー】
1988年7月、関東に新型爆弾が落とされて第3次世界大戦が勃発。
2019年、東京湾上に築かれた新たな都市=ネオ東京は翌年にオリンピック開催を控え、繁栄を取り戻しつつあった。
職合訓練校に通う不良少年の金田と仲間の鉄雄らは、閉鎖された高速道路でバイクを走らせていたが、そこで26号と呼ばれる奇妙な男と遭遇する。
その男は軍と対立するゲリラによって、「アキラ」という軍事機密と間違えてラボから連れ出され、軍に追われていた。そこへ現れた軍によって、26号と接触して負傷した鉄雄が連れ去られてしまう。。

【作品の影響】
この作品を多くの人が知るように、日本どころか世界中で話題となって多くの著名人もその影響を受けたと語るほどの作品。

冒頭で繰り広げられるチキンレース。勝利した金田が横滑りをさせながらバイクを止めるシーンがあるがこのカットも有名な絵であり、他の作品でもオマージュされているもの。

【作画】
人物の表情・アキラのバイクの動き、サスペンションやハンドル捌きによるタイヤやバックライトの光の動きなど。。
冒頭からこだわりが見られ、クオリティの高さが窺える😎

また打たれたときの血の表現や、爆弾により見られた深いブラックの演出も見事👏
新型爆弾の爆発で、黒い球体が現れる映像もインパクトがある!

日常的な街の風景や人々の動作も実にきめ細かく描かれている!
街のなかの群衆を描く場面では、映像に現れる人物のひとりひとりをきちんと作画しているという仕上がり。
ここのこだわりと手間は圧巻😁

【予言】
かなり前から言われているが、数多くの噂が飛び交っているこの作品。
予言もその一つであり、まさに時代がアキラに追い付いたのではないかと思わせるもの!

2020年東京オリンピックが代表的だろう。単純に年号だけで無く、作品でも「中止中止!」の落書きがあったように、開催が危ぶまれている。
知っての通り現実の東京オリンピックも延期が決まり、その段階で現実との奇妙な符合を感じる🙄

【未来】
当時としては未来の物語であるが、バイクで暴走する若者など、どこか昭和の匂いを感じる風景になっており変わらないものもある事に気づかされる。

作中ではこのような世界になっているが、現実においても若い世代は金田のようにハングリー精神を持った行動的なキャラクターを見習っても良いのではないか。。?

【アキラとは】
元々はアーミーの秘密兵器として、超能力を覚醒させたキヨコ、タカシ、マサルらナンバーズの一員だったアキラ。

あまりの能力の高さが、東京崩壊から第三次世界大戦を招いている。

果たしてこれは神・救世主なのか?
それとも何にでもなれるという事で、無垢な存在なのか?
原作を読めば今よりも深く知る事が出来るのかもしれないが、1度だけの鑑賞だと疑問や違和感が残るので、アキラの正体についてもスッキリしない。。

【ナンバーズと鉄雄】
クライマックスで肉塊となった鉄雄は人間の欲が膨れ上がってしまった姿だろう。。その肉塊はまさに胎児のよう。

これも無垢な存在を表しているのか?
しかも劇中のラストでキヨコが「私たちのような力は人間誰もが持っている」と言う。

この様なセリフは抽象的なものが多く、観ているものが解釈するのだが、【いずれは全人類もナンバーズのように覚醒する時が来る】という予言や警告の様にも思える。

ナンバーズはこれからの人類を見せているのだろうか?

【まとめ】
原作を未読の人でも楽しめるのだが、エヴァの様にちょっと困難な作品。

でも制作期間や製作費を考えるとかなりの大作になっておりこれだけでも見る価値はある!

劇場版が再上映されているので気になる方はこの迫力を劇場で味わうのも良いかもしれない😎

後鑑賞するまでずっと金田のキャラクターがアキラという名前だと思っていた笑🤣
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