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アキラ AKIRAのmegusukeのレビュー・感想・評価

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)
3.9
昭和魂溢れるオーパーツ気味実験アニメ映画。
原作未読。

↓は読み飛ばしてOK
同88年の主な日本アニメ映画が
「となりのトトロ」「火垂るの墓」「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」と、宮崎駿、高畑勲、富野由悠季の重鎮達。
で、宮崎、富野両氏はどちらかというと、限られた中でも、如何動かし、魅せるかを追求する「職人肌」タイプの監督さんなんだけど(宮崎さん当時そんなに売れてなかったし)高畑さんは作品の完成度に拘る「芸術家」タイプの方なんだけど、火垂るの墓はとなりのトトロと同時上映だったり、ジブリ内で有能な人材の取り合いだったみたいで、ある程度抑えた感じの中
制約から発展して来た日本アニメ
のノウハウが貯まり、人材が揃い予算もそこそこ贅沢に使える時代に、制限を限りなく取っ払えちゃった奇跡の作品。

↓こっから感想。
日本アニメ的制限の中の表現でなく、海外的の演技的な動かし方でもない「自然さ」に拘った動きを追求してるなと感じた。
流石に専業アニメ監督ではないので、場面の切り方が分かりにくかったり、自然に拘りすぎて、ヌルっと動きすぎちゃったり、ピタッと止まる場面がなくて逆に不自然に感じちゃったりする所もあるのだけれど、当時唯一無二だったせかいかんを壊さないアニメ表現にまとめ上げたのはお見事。
当時のアニメ的アプローチではない演技で統一して個性的なBGM、効果音をまとめ上げている点も素晴らしい(多分明田川進さんの管轄だと思われる)

海外映画スタッフや役者が、日本映画で影響を受けたのは?という質問こぞって名前を挙げるこの作品、皆お手本にしているのだろう、今見ると流石に度肝を抜くという感じではないし、この作品の人間達は全共闘世代の様な団結感と行動力を持っているけれど
2020年現在に観ると、それさえもオーパーツの一部に見える。
そんな映画でした。
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