ホニャララ

アキラ AKIRAのホニャララのレビュー・感想・評価

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)
4.4
リマスターをIMAXで。原作未読、映画初見。ブレードランナーとか一部ブラックレインの雰囲気を匂わせながらアキラはアキラのディストピアがそこにあった。「さん」をつけろよデコスケ野郎はこれだったのか!なめたらあかんぜよのオリジナルを見たときくらいピシャーンてきたよ。テールランプの尾を引く表現が好きだなぁ。レディプレイヤー1がちらついてヴァン・ヘイレンが脳内で再生されて困った。金田とケイちゃんが声だしてくれんと見分けつかない瞬間がある。大戦が終わって70年代くらいまで、国体や世界の行く末を愁いて、市民レベルで何かしら主張運動をしてたのが、やがて80年代になり世界中が狂乱のパリピモードで万札燃やしてどうだあかるくなったろうとかやってる最中、本当にこんな状況がいつまでも続くと思ってるの…っていうアンチテーゼ。しかし皮肉にもアキラはこんな尖ってて変態的作風なわりに(熱狂的なファンはいたそうだが)めちゃめちゃ潤沢な資金でもって映画化されたと聞いて、バブルなんて創作じゃろと特に恩恵受けてない世代はひねくれたこと思ってしまう。でもね、終盤のアキラ覚醒によってNeoTokyoが崩壊していくところ見て、あーこれ911とか311の時みたいに世が混沌としてたらこんなの映画館で見ることはできんやろなーってぼんやり思ったらなんかちょっと前向きな気持ちになったよ。駅前の百貨店に「新たな生活様式をー」的なタペストリーがでっかくかかってて、行きと帰りで受け止め方が変わったように思う。
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