若者たちの群像ラブストーリー。
「恋する惑星」のポップな可愛らしさが好きだと戸惑うかもしれません。対になるような夜と雨。口のきけない金城武の無邪気な狂人ぶりはだいぶ怖い。
全編通してキザが過ぎるけれど、返還直前の香港の切なさ妖しさを頭から浴びせられて、その熱量にくらくらしちゃう。。
ウォン・カーウァイ監督の撮るアジア人は、男性も女性もとてもきれいだと思う。殺し屋とエージェントの並びのビジュアル、アンニュイで最高でした。
ミッシェル・リーの目にかかる前髪、真っ赤なネイルとリップ。死んだ目でふかす煙草の煙。定期的にこの手の美女に憧れるけど、表層だけ真似しても様にならない。
オレンジ色の髪をしたカレン・モクはCharaみたい。危なっかしくて目が離せない魅力があります。
ウォン・カーウァイ作品の男女は、雑踏ですれ違ったり期限付きだったりと、人生のひととき重なり合う関係ばかりですね。だからこそ瞬間の衝動、ボルテージの上がり方が激烈で。
どれもエンディングは観客に想像の域を残していて、切ないものでも、そのときの情熱全てをかけて、やるだけやったみたいな清々しさがあります。
