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血と砂の決斗のmitakosamaのレビュー・感想・評価

血と砂の決斗(1963年製作の映画)
3.6
東映YouTubeにて。常々、大友柳太朗は宇梶剛士に似てると思ってたが、今作では最も宇梶みを感じた。

戦国時代の某城で武将・稲葉弥十郎は藩を離れ旅に出るが、将軍の怒りを買い追手5人が向けられることに。

この豪快な侍・弥十郎に大友。
追手のリーダー・一兵衛に近衛十四郎。

稲葉はたどり着いた村で、野武士の略奪から守るために村人に戦いう決断をさせる。

野武士に襲われる村を救うという、七人の侍的な展開だ。確かに大友柳太朗には三船に通ずる豪胆なキャラクターがよく似合う。東映にも黒沢的なアカデミックな時代劇を取り入れる柔軟さが有ったんやね。

だがシンプルに七人の侍には成らず。対野武士よりも、追手である一兵衛らとの攻防がメインとなる。
そしてもう一つ違う点として、ヒロイン枠がある。岡さとみ演じるナナだ。村人とは違う、元武家の出らしい娼婦で村八分にされている。
このツンデレなナナが弥一郎に堕ちていくのはベタすぎるくらいベタだ。だがそれが良い。

東映の伝統的時代劇に、東宝黒沢時代劇のエッセンスを詰めたようなチャレンジャブルな一本。なかなか面白かった。
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