ねまる

告発のときのねまるのレビュー・感想・評価

告発のとき(2007年製作の映画)
3.5
国旗を掲げる時は上下を逆にしてはならない。
上下が逆の国旗はこの国はもうダメだ、という救難のサインだ。

軍で働き引退した男。2人の息子の1人は空軍に入って亡くなり、2人目はイラクに行き戻ってきた後消息を絶った。
息子はどこに行ったのか?
息子を探すうちにさまざまな事実に出会う実話をもとにした物語。

警察と軍警察が別に存在するなんて知らなかった。
イラク戦争にまつわる話。
イラクやアフガンとの戦争。これも一つのアメリカだ。

トミー・リー・ジョーンズが、軍から失踪した息子を探す父親役。
失踪した息子の写真が、ジョナサン・タッカー だったので早速テンションが上がる。
出演時間は短いけど、色んなことを予感させる凄いジョナサン・タッカー 。良き。
軍人チームのちょっと壊れた感じ、みんなすごく良かった。
悪いのは事件ではなく、戦争なのだろう。

奥さん役がスーザン・サランドン。
2人は電話を通じたやりとりが多いのに、夫婦の絆が伝わる。
そして、シャーリーズ・セロンが警察官。美人だ…
ジョシュ・ブローリン、ゾーイ・カザン!
キャスティングが恐ろしい。

ポール・ハギス監督といえば『クラッシュ』だよね。
高校の頃アメリカを学ぶという授業で観た。
いまいち当時はよく分からなかったんだけど、観たことをはっきり覚えているから、印象的なうちだったんだろう。
あと、博士の異常な愛情、を観たような、、、

映像の色味のないトーンが好き。
ちょっと白人感が強すぎる気はする。
アメリカを白人のものだと思ってる感じがするのは時代柄かな。

国に仕えた男が、この国や軍は狂っていると認識するまでの話。
ラストまでに主人公の感情がどう移り変わったのか、丁寧で、残酷で、明確だった。
ねまる

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