トミー・リー・ジョーンズが、無断離隊した息子を探し求める父親を演じた作品。
実話ベースで、エンドロールには実在の遺族のファウンディングのアドレスが記載されていた。実際にあったことと思うと恐ろしくもなるような話だが、戦争で心を病んだ兵士たちに救いの手を十分に差し伸べられていなかった当時のアメリカ社会に問いを投げかけた作品だったのだと思う。
軍隊時代の規則に従いきっちり身だしなみを整えるトミー・リー・ジョーンズの演技はとても良かった。キャスト陣も豪華で、チョイ役にジョシュ・ブローリンが出ていたりする。
本作の良いところは、長回しのカットが多く、説明ではなく演技だけで考えさせる箇所が多いところ。最近は説明過多で音楽も使いすぎだと思う映画が多いが、本作のようにメッセージは受け取り方次第というような作品を見られて良かった。
これは少し前に製作された映画だが、今も苦しむ退役兵たちのことをアメリカの人々が少しでも気にかけるきっかけになれば良いと思った。
