市川崑が鮮烈に描く
感動の芸術大作
文豪島崎藤村の
不朽の名作に挑んで
日本の悲劇を抉る
愛と真実の映画詩
ここに人生がある
ここに人間がある
今日に生きる青春の苦悩
主演男優賞に輝く
雷蔵・長門・船越・三国の
画期的な競演
脚本 和田夏十の名シナリオ
撮影 宮川一夫のカメラワーク
美しくきびしい
青年の魂の彷徨
無限の感動を呼ぶ
壮大な抒情詩
大映が総力をあげて製作する
芸術大作
映画は大映
近日公開
(以上、DVD特典映像予告編のコピーをそのまま引用)
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(以下、予告編に使われたこのコピーを検証します)
鮮烈...
※確かに鮮烈です。出演者とカメラに暗いテーマが一丸となって鮮やか。
日本の悲劇を抉る...
※悲劇という言葉で片付けてよいのか疑問ですが、部落差別という日本の"悲劇"を確かに正面から扱っている。
ここに人生がある
ここに人間がある...
※これはちょっと大雑把で大仰過ぎる。
青春の苦悩...
※これも大雑把だけど、雷蔵の佇まいからはやはり"青春の苦悩"と表現したくなるのは理解できる。
主演男優賞...
※これは誤解を招く誇大コピーです。各人は他の作品ではなんらかの賞は貰っていますが、本作では全員なにも受賞しておりません。
画期的な競演...
※四人揃って共演している作品は無いので確かに画期的。
美しくきびしい青年の魂の彷徨...
※雷蔵が美しいというのは確かに言えているが、被差別部落出身の青年をきびしいと呼ぶのは適切では無いかもしれない。
無限の感動を呼ぶ...
※"無限"は明らかに言い過ぎ。
芸術大作...
※この言葉を二回も使っているのは大映としての会社の立場を表している。
どう見ても部落差別問題が中心にある作品だと感じるのだか、それを芸術という表現の方向に逃げているように思える。