るい

破戒のるいのレビュー・感想・評価

破戒(1962年製作の映画)
4.1

同和問題がテーマの作品


部落出身を隠して小学生教師をしている瀬川丑松。「私は部落民ではありません」と嘘をつき生きていく事を決めるが…

同和問題は私の町でも色濃く残っているので、中学校くらいに授業で習いました。今はそういった身分なんてないはずで、この問題は昔の事ではあるけれど、実は今も続いております。

生まれはどこですか?に回答できないのは、地域を言うと身元がわかってしまうから。作中では身元がわかると病院から追い出される、宿に泊まれない、真っ当な職にもつけないと描かれていました。

部落出身の思想家 猪子蓮太郎の奥様は、部落出身であっても隠す必要はない、差別をしてはいけないと理解している人も増えている、普通に生きればよいのだと言う。本当は人間の善の心を信じて、私もそうあって欲しいと思う。

丑松は、それは奥様が部落出身ではないからでしょうと返す。これもそうだと思う。どっちの意見が正しいとかではない理想と現実である。

丑松の色んな思いや行動に胸が苦しくなる。現代の私たちができる事は同和問題があるのだと知る事と、差別をしない事ですね。

市川雷蔵さんも、三國連太郎さんも、岸田今日子さんも大変良かったです。
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