楓

愛を読むひとの楓のレビュー・感想・評価

愛を読むひと(2008年製作の映画)
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文学的

何が残ったのか、何を感じたのか、
言語化するのに難儀する。

苦しかった。
泣いていいのか、泣いてはいけないのか、私の感情もどうしたらいいのかわからないようだった。

一体何だったのか。
苦い煮湯を飲まされたような、陰鬱とした苦悩だけが残る。

苦しい。苦くて、重くて、でも嫌じゃない。だってそれも含めて文学であり、人の世だから。

人の歴史があるということは、それだけ多くの人の過ちや苦悩、後悔がこの世の中に生まれ、消えていったということ

全てを受け入れる叡智の如き懐の広い文学こそ、苦悩を吐露してきた人類にとって、最後の贖罪の場になったのだった
楓