真世紀

イエスタデイ、ワンスモアの真世紀のレビュー・感想・評価

イエスタデイ、ワンスモア(2004年製作の映画)
4.5
映画祭優先でレイトショーオンリーということもあり、ついつい後回しになっていたジョニー・トウ監督「イエスタデイ ワンスモア」をようやく昨夜最終日に観る。

監督とアンディ・ラウ、サミー・チェンとのトリオは「Needing You」「痩身男女」に続き、三作目。今作ではいくつもの顔を持つ監督のヒットメーカーの顔が観られます。

アンディとサミーが演じるのは怪盗夫妻。だが、ある日、突然、夫から別れを告げられた妻。家宝の首飾りをめあてに金持ちの息子と結婚しようとするが、夫も首飾りを狙い登場。怪盗夫妻の駆け引きとそこに浮かび上がる夫婦の愛情を描いて実は観る者の瞳を潤ませる映画だったりする。ウェルメイドにしてオシャレな作品。

イタリアロケもあり、華麗な雰囲気を漂わせます。香港の路地まで歩き回る濃厚な一夜の「PTU」とは、やはり同じ監督とは思えない。この振り幅がまた監督の魅力。アンディとサミーはさすがに息があってます。

まあコメディ要素も多く、盗みの準備のために車と競っての脚力を試された男が鉄砲魚のようにへどを吐くシーンもあり、やっぱり香港映画だよな、と思いますが。

金持ちの息子カール・ン、かなり濃い顔立ちの二枚目ですが、なんとリチャード・ンの息子さんなんですね。その母親にショウ・ブラザースの女優ジェニー・フーが登場(こちらはテレンス・インの母親)。常連俳優ホイ・シウホン
は二人組の探偵で出てます。

ストーリーは途中で急展開。単なる恋の駆け引きが愛の話に深化。エレベータの扉に映るアンディの姿やボーリング場というロケーションが「暗戦」でのアンディを思わせたりという暗示に感心。二度目の首飾り強奪作戦など繰り返しをうまく使っているのもよし。反復をうまく使っている映画って好きなんですよね。

同じ最近のアンディ主演作でテーマも重なる「愛しているともう一度」とついつい比較しちゃいますが、やはり、ジョニー・トウ監督の方が一枚上手かな。

さあ、今日は「ブレイキング・ニュース」初日。今度はノワールの顔のジョニー・トウの登板だ!
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