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中国女
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目次

中国女の作品紹介

中国女のあらすじ

中華人民共和国で文化大革命が起きていた1967年夏のパリ。ソルボンヌ大学哲学科の女子大生ヴェロニクをはじめとする若者5人は、親がバカンスで不在の間に集まって合宿を開始。「毛沢東語録」を読んだり北京のラジオ放送を聴くなど、連日学習を続けるうちに彼らは熱烈な毛沢東主義者となる。そんな中、過激化したヴェロニクが、ある文化人の暗殺を提案。メンバーの中からは反対意見が挙がり、対立が生まれていく。

中国女の監督

中国女の出演者

原題
La chinoise
製作年
1967年
製作国
フランス
上映時間
103分
ジャンル
ドラマ

『中国女』に投稿された感想・評価

5月14日は昨年逝去された女優アンヌ・ヴィアゼムスキーのお誕生日。
存命ならば今日で71歳に。

ロベール・ブレッソン監督『バルタザールどこへ行く』でスクリーンデビューを果たし、
次なる主演作『中国女』ではのちにパートナーとなる監督ゴダールと運命的な出会いをしたアンヌ。
以後、前妻アンナ・カリーナに代わるゴダール第二のミューズとして、彼の左傾化時代を象徴的に支えました。

当時、実際に19歳のパリ大学生だったアンヌが主人公の女子大生ヴェロニク役を演じ、マオイズムに傾倒していくフランスの若者たちを描いた本作。

フランス戦後世代の意識高い若者たちは、
初等教育でみっちりナチスの帝国主義を憎み、
8年間に及ぶ不毛なアルジェリア独立戦争及びインドシナ戦争を傍観してその虚無を知り、
そして資本至上大国アメリカが今ベトナム戦争で再び侵している過ちに対し、俺達若者が何かしらのアクションを起こして新しい時代を創らなくては!と、使命感に駆られていた時代。

そんな熱気が徐々に高まりつつある67年当時のフランスは、まさに68年に巻き起こる「五月革命」への前段階に突入しており、
ゴダールは本作において、世界に派生する学生運動の機運を見事に予言した作品と認知されています。

更にその予言は、労働経験すら無く机上の空論で一端に弁舌を振るう学生ちゃんの未熟さをしっかり描いている点もまたしかり。
しかしその敗北までも予見したゴダールは商業映画と決別し、敢えてアンヌと共に棘の道を歩むことになるのでした。

そんなアンヌの自伝を映画化した作品『グッバイ・ゴダール!/Redoutable』が、いよいよ7月に本邦初公開されます!楽しみ!
ゴダールも只今絶賛開催中のカンヌ国際映画祭で大健闘してるし、彼の"映画史"はまだまだ更新され続けてゆくことでしょう。
矢吹

矢吹の感想・評価

3.9
『今まさに作られつつある映画』
「夢の中の人の顔は思い出せないって言うけど、
まさに夢のような映像を思い出せない。
現実とは違うからでしょうか。」
「いや、これは、ニュース映画だ。
思い出せないのは昔話だ。」
「君は映画を見てるぜって教えてくれてるのさ」
『芸術は見えるものを再生するのではなく
想像を創造するのだ。』
「個人的に、当時の政治状況について無知すぎて、ちゃんと語れるところがないわけだが、
つまり『見ているものに対して、認識するべくは
見る目の位置、見られているものの位置、それを照らす光の位置
多分現実はまだ誰も、見だことがないだろう。』
と言うことだろう」
「つまり?そういうことなの?」
「さあ。おもしろいって言っとけばいいんだよ」
「赤と青と黄色。三原色を用いた、
あざかやかなる警鐘である。
ラジオは、カルチャーは銃になりうる。」
「この赤い本を見よ。真に現実を見よ。」
「青は進め」「黄色は待て」「赤は止まるな」
「色を対立させるのではなく混ぜて新しい色を作ってたら真っ黒になってしまった。黒板。それでは、また新しい文字を書いては消そう」
「教室の中の戯言と人生一回きりの行動」
「教室の中は2000年間の死体」
『曖昧な思想を明確な映像に対決させよ』
「右翼と左翼、両方揃って初めて鳥は飛べるのだ」「では人は?」「知らない」
「俳優の真似事、真似事の真似事、真似事の現実、現実の俳優」
「彼は、彼女は、俳優に憧れている」
「目の前に薬が一粒、世界には3人、あなた以外は病人が2人、美女と野獣、どちらに何をしてやるか」
『キャメラの前だから僕は、誠実だ』
「我々は美しさへの武器を持ち合わせていない」
「君の美しさは武器なのか?」
「ウィ」
「君の武器は美しさか?」
「ノン」
「自分の意思という台本を読んでます」
「インタビュー中なのでやめてください。素直に思ったことを言ってください」
「トゥーリオ」

革命やめた!飽きたよ!
もう古いよ。
時代はキングヌーだぜ?
アー君

アー君の感想・評価

3.6
「毛沢東語録」を引用しながら討論に明け暮れる男女たち、公開時は1967年、中国では文化大革命の真っ只中、世界はベトナム戦争の泥沼化や学生運動が盛んな時期であり、ゴダールなりの視点であの時代の若者らが理想とする革命とその後の内ゲバを描いている。

ゴダールは当時30代後半ぐらいだと思うが、この激動の世界情勢をどう見ていたのだろうか気になっていたが、この映画から推測すれば、どこか唯物史観の流れには迎合できない“若き老人”が作った観念的な映像世界であった。

「盲人になりたい」

「なぜ?」

「まじめに耳を傾け、語り合うだろうから」

〈中略〉

「言葉を音や物質として話すのね」

革命を理想としながらも愛想笑いのような付き合いであり、所詮は“ごっこ遊び”の延長。毛語録の引用はファクトリーで大量生産されるウォーホルのシルクスクリーンのように艶やかであるが、どちらにせよ表面的でもある。

セリフを本番まで教えない即興重視の演技や、撮影に使われるカチンコをそのまま映す演出は、ゴダールならではのメタ的な表現はいつものこと。

電車内の教授との議論において、列車の方向は彼女の側からみれば進行方向であり、言葉が噛み合わず一方的な行為である事を案に示した描き方である。

手違いによる男の死は「気狂いピエロ」におけるフェルディナンのように派手なダイナマイトを使わない、どこにでもありえる政治的な犬死にであったが、過程はどうだろうと結果において死はすべてが平等であり、それは監督自身が望んだ尊厳死も自然死と同様である。

[ブルーレイによる購入・視聴]

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