アメリカ海軍中佐のファレルは、パーティーで出会った女性と肉体関係を持つが、彼女は国防長官の愛人だった。嫉妬に駆られた長官は愛人を殺してしまい、浮気相手をソ連のスパイに仕立て上げるようファレルに偽装工作を命じる。自身が犯人だという証拠が次々押収され、ファレルは無実の罪に追い詰められていく。
『アンタッチャブル』『パーフェクトワールド』『ボディガード』等で注目を浴びる前のコスナー主演作。かなりマイナーな部類のサスペンスと思われ、DVDの画質は80年代相当でなかなか悪かった。
東西冷戦の最中、国防省内部の痴情のもつれが起こした殺人がスケープゴートを立てた隠蔽工作につながっていく。「この場面いる?」と思うようなとってつけた感が所々あるが、結構緊迫していて面白い。バレたらヤバいと狼狽する長官のハックマン、第三者のせいにしましょうと積極的な側近のウィル・パットン、膝から崩れ落ちるコスナー等、色々な演技が見られる。
当時のコンピューターの精度だとここまで引っ張れるんだな。今のスマホやコンピューターだったらすぐに本編終わりそう。
仕事のミスを隠そうとするがバレそうになる、心がキリキリしそうなあの感覚を味わえる。唐突なラブシーンやカーチェイスとしっちゃかめっちゃかだが、本編2時間以内で収まる掘り出し物のサスペンスであった。
実は本作、あのブラッド・ピットのスクリーンデビュー作。中盤のパーティーにて、コスナーの背後で余興を見て笑う招待客が彼である(ちょっとピンボケ)